「お布施をお寺に持っていくけれど、封筒の書き方ってどうすればいいの?」そんな疑問を抱いたのは、私が子どもを連れて初めて法事に参加したときでした。普段は冠婚葬祭にそこまで関わらない生活をしているので、急に必要になると本当に迷いますよね。
この記事では、お布施の封筒の基本の書き方や包み方を、私自身の体験談を交えてわかりやすくまとめました。同じように迷っている方が安心して準備できるように、家庭の会話の雰囲気も少し交えつつ解説していきます。
お布施に使う封筒の種類と選び方
白封筒と奉書紙の違い
お布施を包むときに最も迷うのが「封筒はどれを選べばいいの?」という点です。一般的には白無地の封筒、または奉書紙を折って使うのが正式とされています。白封筒は手軽に購入でき、シンプルで無駄のない印象を与えてくれるので、法事やちょっとしたお参りの際にも使いやすいです。
一方、奉書紙は厚みがあり、昔から格式のある場面で用いられてきました。お寺とのご縁が深いご家庭や、親族が多く集まる大きな法事など、より丁寧に気持ちを表したい場面では奉書紙を選ぶ方も多いです。私自身、最初は「封筒で十分じゃないかな」と思っていたのですが、義母に「奉書紙の方が丁寧に見えるよ」と教わり、場面によって使い分ける大切さを知りました。
夫と一緒に文具店へ行ったときも、「この白封筒なら失敗がないね」「奉書紙は少し格式が高そうだね」と、用途に合わせて選ぶことが大事だと感じました。相手や場面に応じて使い分けることが、気持ちをきちんと伝える第一歩になると思います。
市販の「お布施」封筒の便利さ
最近では、表面にあらかじめ「お布施」と印刷された専用封筒も多く販売されています。これなら自分で文字を書く必要がなく、筆ペンに慣れていない人や字に自信がない人にとっては心強いアイテムです。特に小さな子どもがいて準備に追われているときには、サッと買ってそのまま使えるので本当に便利です。
私も子どもがまだ小さくてバタバタしていた頃、筆ペンで「御布施」と書こうとして手が震え、何枚も書き直したことがあります。その経験から、市販の封筒に頼ったこともありました。忙しいときや不安なときは、便利なアイテムを活用して無理せず丁寧さを保つことが大切だと思います。
また、表書きが印刷されていると「字が下手で恥ずかしい…」という不安もなくなります。義母に「字よりも気持ちが大事だから、こういう封筒を使うのもいいわよ」と言われて、肩の力が抜けたのを覚えています。準備に追われる子育て世代には、本当にありがたい存在です。
表書きの正しい書き方
表面に書く言葉
お布施袋の表には、中央に大きく「御布施」または「お布施」と書くのが基本です。香典袋のように薄墨は使わず、濃い墨色で、できれば筆ペンか毛筆でゆっくり丁寧に。私は普段ボールペン派ですが、法要の前夜に練習用の紙を1〜2枚用意して、筆ペンで「御布施」を数回書いてから本番に移ります。緊張して手が固くなるので、深呼吸してから一筆目を入れると不思議と整いました。
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縦書きが基本。中央に「御布施」、そのやや下に名前の余白を残します
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水引や装飾のある祝儀袋は使わない
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外袋に住所や金額は書かない(中袋がある場合は中袋へ)
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文字サイズは「御布施」を大きめ、氏名は控えめにしてメリハリをつける
子どもたちが寝静まったあと、私が練習していると夫が「その字、さっきより落ち着いてるよ」と声をかけてくれて、肩の力がふっと抜けました。表面は「御布施」を濃墨・縦書きで中央に、外袋へ金額は書かない。これだけ押さえておけば、慌てずに準備できます。
名前の書き方
名前は表書きの下、中央にフルネームで。家族を代表する場合は世帯主名が一般的ですが、施主を務める人や檀家名で指定されることもあります。迷ったらお寺や年長者にひと言確認しておくと安心です。私の家では「誰の名前にする?」と夫婦で相談し、法要の施主が夫だったため夫の氏名にしました。
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個人:中央にフルネーム(例:山田太郎)
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連名:右から世帯主、配偶者、子の順で小さめに並べる。3名を超える場合は「山田家」や代表者名+「外一同」にして中に書面を添える
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代理で渡す:左肩に小さく「代」と入れるか、裏面に関係がわかるようメモを入れる
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中袋あり:表に住所・氏名、裏に金額を旧字体の漢数字で(例:金壱萬円)。中袋がないタイプなら金額は無記入でも可
お札の入れ方と注意点
お札の向き
封筒(または中袋)の表は「御布施」と書いた面。ここを自分の正面にして口(開き)を上に置き、札をそろえて入れます。
手順は次の3ステップにすると迷いません。
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表書き面を自分側に向ける
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お札の肖像が自分側(表)を向くようにそろえる
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肖像の頭が封筒の上(口側)へくるように上下を合わせて差し入れる
複数枚入れる場合もすべて同じ向きでそろえます。銀行の帯封が付いている場合は外し、軽く指で空気を抜くようにして平らに。私は最初「香典と同じ?逆?」と迷って母に電話で確認しましたが、上の3ステップを覚えてからは迷わなくなりました。「表書き面を正面に、肖像は自分側・頭は上」が合言葉だと覚えると安心です。
小銭は避け、折りたたまずに入れます。封筒が小さくて入れにくいときはサイズを変えるか、より厚みのある奉書紙のタイプにすると扱いやすいです。
新札か旧札か
お布施はお寺へのお礼・お供えの意味合いが強いので、新札を用意するのが基本。前日までに銀行で新札に替えると気持ちよく準備できます。私も夫と子どもを連れて銀行に寄り、「どうしてピカピカじゃないとダメなの?」と聞かれて、「仏さまに失礼がないように、きれいなお金で感謝を伝えるんだよ」と話しました。
もし新札が手に入らなかった場合は、折れや汚れの少ないものを選んで使い、しわが気になる札はアイロンのスチームを当てずに本に挟んで一晩置くと落ち着きます(熱は変色の原因になるので避けます)。また、
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札は折らずに入れる(サイズが合わない封筒は使わない)
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クリップや輪ゴムは使わない
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可能なら同じ金種でそろえる(1万円×2枚など)。4枚・9枚を気にする地域もあるので、迷ったら奇数でそろえると安心
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中袋があるタイプは中袋にまとめて入れ、外袋には入れない
封筒の包み方と渡し方
封筒の折り方
奉書紙を使うときは、袋をくるむように包みます。私も最初は向きに迷ったので、手順を決めて練習しておきました。
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奉書紙の白くなめらかな面を外側に置く
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お布施袋を中央に縦向きで置く
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右→左の順に軽くかぶせ、最後に下側を上に重ねる
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端は折り目をぴしっとつけ、のり付けはしない(差し込みだけで十分)
包み終わりの面が後ろに来るように整えると、見た目がきれいです。折り目は指先でそっと押さえる程度にして、紙がテカらないよう力を入れすぎないのがコツ。袋タイプを使う場合も、封はのり付けせず、そのままか軽く差し込む程度で大丈夫です。私は移動中に折れないよう、薄いクリアファイルに入れて袱紗ごと持ち運ぶようにしています。小さな子がいると荷物が増えがちなので、玄関で慌てないよう前夜にここまでセットしておくと安心です。
手渡しのマナー
お寺では受付の有無や渡すタイミングが異なることがあるので、法要案内や家族の指示に従います。受付で渡す場合は受付へ、読経前後に本堂でお渡しする指示ならその場で。私は初めてのとき、控室で「このあと受付にお願いします」とご住職に教えていただき、流れがつかめました。
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袱紗に入れて持参し、相手の前で取り出す
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表書きが相手から読める向きに置き、両手で差し出す
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一言添える例「本日はお世話になります。どうぞお納めください」
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連名の袋や複数封筒があるときは、上に御布施を重ねてまとめて差し出す(御車代や御膳料があるなら順番を付箋で分かるようにしておくと取り違えない)
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袱紗は紫なら慶弔どちらでも安心。弔事寄りの仏事なので紺・グレー系も無難
子ども連れのときは、渡す直前だけ夫に抱っこを替わってもらい、私は両手を空けて対応しました。袱紗から出した瞬間にすぐ相手向きにできるよう、あらかじめ向きをそろえてセットしておくとスマートです。緊張して手が震えたときも、深呼吸してから落ち着いて差し出せば大丈夫。気持ちを整えて丁寧にお渡しすることが一番のマナーだと感じます。
よくある疑問と私の体験談
子ども連れでの法事とお布施
子育て中だと、子どもを連れて法事に行くこともありますよね。私も下の子を抱っこしながらお布施を準備したことがあります。手がふさがってしまうので、事前に袱紗にセットしておくとスムーズでした。
金額の相場について
金額は地域やお寺によって異なりますが、法事なら5千円〜1万円程度が目安でした。我が家では夫の実家の習慣に合わせました。義母から「金額よりも気持ちが大切よ」と言われて、少し肩の荷が下りたのを覚えています。
まとめ|お布施の封筒は丁寧な準備で安心を
お布施の封筒は、基本の書き方と包み方さえ押さえれば安心です。白封筒や奉書紙を選び、「御布施」と表書きし、新札を正しい向きで入れる。そして袱紗に包んで丁寧に渡すことができれば大丈夫です。子育てや日常の忙しさの中でも、事前に準備を整えておけば慌てません。これから法事やお寺に行く予定がある方は、ぜひこの記事を参考にして安心して臨んでください。