子どもの成長を見ていると、「そろそろ何か習わせた方がいいのかな?」と思う瞬間がありますよね。私も、保育園のママ友たちが体操教室や英語教室を始めたと聞いて焦ったことがありました。でも、実際は「早ければいい」というものでもありません。
この記事では、年齢別に見たおすすめの習い事スタート時期をまとめました。子どもの性格や家庭のペースに合った始め方を見つけるヒントになれば嬉しいです。
0〜2歳|「慣れ」や「興味の芽」を育てる時期
“習い事”というより、親子で外の世界に触れる体験の時期。ベビースイミングや親子リトミック、親子体操、絵本読み聞かせ会など、まずは「場所」「先生」「お友だち」に慣れることが目的です。私も1歳半でリトミックを体験しましたが、音楽の上達よりも、見知らぬ空間で安心して過ごせるようになる変化が一番うれしかったです。無理に通わせないことが最優先。その子の機嫌が良い時間帯に、短時間・月数回からで十分です。
どんな活動が向いている?
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親子リトミック:リズム遊びで情緒の安定と体の使い方を学ぶ
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ベビースイミング:水慣れと全身運動。抱っこでのスキンシップにも
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親子体操/ベビーヨガ:バランス・筋力・柔軟性をやさしく刺激
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図書館の読み聞かせ会:集中の芽や言葉への興味づけ
回数・時間・費用の目安
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回数:月2〜4回(連続より“間隔”がある方が疲れにくい)
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時間:30〜45分程度。午前中の機嫌が良い時間がベター
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費用:1回1,000〜2,000円前後の体験やチケット制で様子見
安全・衛生面でのチェック
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スイミングは体調万全の日だけ。鼻水・発熱時はおやすみ
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プール後はシャワー&保湿、耳まわりの水滴オフ
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床やマットの清掃状態、消毒のルール、換気の有無を確認
教室選びのポイント
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少人数で、泣いたら一旦離れてもOKなど“途中退出の柔軟さ”がある
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先生が子どものペースに合わせてくれる(抱っこでの参加可など)
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体験レッスン後にしつこい勧誘がない
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月謝固定だけでなく、振替・チケットなど選べる支払い形態がある
「合っていない」サインと見直し方
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行きしぶりが2〜3回以上続く/終始抱っこで固まる
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帰宅後の不機嫌や夜泣きが増えた
→ 回数を減らす・時間帯を変える・活動内容を切り替える。いったん“お休み”も立派な選択です。
おうちでできる“興味の芽”の育て方
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音楽に合わせて手拍子・揺れる・止まるなどの簡単リズム遊び
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洗面器で水遊び(ぬるま湯)+コップの移し替え
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指先遊び(大きめの積み木・布ボール・ポットン落とし)
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外気浴&お散歩で季節の音や色を味わう
「できる」「できない」より、「楽しめた」「安心して過ごせた」を合図に。まずは親子でごきげんに帰ってこられる形から始めましょう。
3〜4歳|「楽しむ力」と「続ける力」が芽生える時期
この時期は、まさに“自分の世界”が広がるタイミング。幼稚園や保育園で集団生活に慣れてきたことで、先生の話を聞く力や、順番を待つ力、簡単なルールを理解する力が育っていきます。そんな中で習い事を始めると、「やってみたい!」という好奇心が形になりやすいです。
体操、スイミング、ピアノ、英語、ダンスなどが人気ですが、最初は遊びの延長でOK。
私の子どもも年少の春にスイミングを始めましたが、最初の3回は泣いて抱っこ。けれど、コーチが優しく声をかけてくれたり、同じクラスの子が楽しそうにしていたりするうちに、「やってみようかな」という表情に変わっていきました。水に顔をつけられるようになった日、「できた!」と喜ぶ姿に、こちらも胸が熱くなったのを覚えています。
この時期に大切なのは、“上達よりも楽しさ”。
子どもは「好き!」と思えたことなら自然と続けられますし、その体験が「挑戦する力」「頑張る力」につながります。反対に、無理に頑張らせると、習い事そのものが嫌いになってしまうこともあります。
人気の習い事とそのねらい
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スイミング:体力・呼吸・リズム感が身につく。全身運動で風邪をひきにくくなる
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体操教室:バランス感覚・柔軟性を育てる。転びにくくなり、運動の基礎作りに最適
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ピアノ・リトミック:音感や集中力を伸ばし、感情表現が豊かに
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英会話:「英語を学ぶ」より「英語の音に親しむ」段階。歌やゲームが中心で楽しい導入期
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ダンス・バレエ:姿勢やリズム感が育ち、人前で表現する自信がつく
習い事の続け方とサポートのコツ
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「今日は何が楽しかった?」と聞くようにする(成果ではなく感想を聞く)
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レッスン後のごほうびや、がんばりカレンダーなどで達成感を見える形に
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行きたがらない日は、休んでもOK。無理に行かせないことで安心感を保てる
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親が過剰に口を出さず、「応援団」ポジションで関わることが大切
“できたことを一緒に喜ぶ時間”が、最大のモチベーションです。
上達が早い子を見て焦ることもあるかもしれませんが、「うちの子のペース」を信じる気持ちが、結果的に一番の成長を後押しします。
習い事選びのポイント
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先生が子どもと目線を合わせて話してくれるか
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雰囲気が明るく、笑顔であふれているか
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少人数で、フォローが手厚いか
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「見学・体験」で子どもの反応をよく観察する
5〜6歳|「得意」を見つけて伸ばす時期
この年齢になると、少しずつ“自分の好き・得意”が見え始める時期です。集中力や理解力が育ち、先生の話を聞いて行動できるようになるため、基礎からしっかり学ぶタイプの習い事に挑戦しやすくなります。ピアノ、習字、サッカー、バレエ、空手など、どれも「継続する力」や「礼儀・集中力」を育てるのにぴったりです。
私の息子も年長のときに空手を始めました。きっかけは、仲良しの友達が楽しそうに通っていたこと。「ぼくもやってみたい!」という言葉を聞いた瞬間、これは“本人のやる気スイッチ”だと感じました。体験に行ってみると、最初は緊張で表情が硬かったものの、帯を締める瞬間の目の輝きは本物でした。
親が決めるよりも、“子どもの興味が動いた瞬間”を逃さないことが大切です。
この時期に向いている習い事の特徴
5〜6歳は「集中・理解・挑戦」の3つの力が同時に伸びる時期。体を動かす系・表現系・学習系、いずれのジャンルでも成果が出やすいです。
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ピアノ・習字・絵画教室
→ 指先を使う習い事は集中力と丁寧さを養う。作品や音で成果が目に見え、自信につながる。 -
サッカー・空手・バレエ・体操
→ 体の使い方と同時に、ルールを守る意識やチームワークを育む。心身のバランスが整いやすい。 -
英語・プログラミング教室
→ 好奇心を刺激する“遊びながら学ぶ”スタイルが効果的。音や形、色の刺激が豊富な時期ほど吸収しやすい。
この年齢では「上達を焦らず、得意を見つける」ことが第一歩です。
習い事を選ぶときの見極めポイント
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「本人が興味を持っているか」を最優先に
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先生の声かけや雰囲気がポジティブかどうか(叱るより励ます指導)
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体験時に“笑顔が出ていたか”を観察する
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練習や宿題の負担が家庭に無理なく続けられるか
体験後に「楽しかった!また行きたい!」と言ったら、それが答えです。
“やりたい”という気持ちは、どんな才能よりも強い成長エンジン。
続けることで育つ力
1〜2年ほど続けると、集中力・忍耐力・達成感など“学ぶ姿勢”がぐっと強くなります。特に5〜6歳は「できなかったことが、できるようになる」成功体験を積みやすい時期。その達成感が次の挑戦へとつながります。
また、続けるうちに得意不得意が見えてくるため、「どの分野に向いているか」を見極めるきっかけにもなります。たとえば、運動系が苦手でも、絵や音楽で輝く子もいます。親の価値観に縛られず、子どもの個性を観察してあげましょう。
習い事を「続けるか迷ったとき」の考え方
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「やめたい」と言ったら、理由を聞いてみる(疲れ・人間関係・内容の難しさなど)
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期間を決めて“あと3回行ってみようか”と提案してみる
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“別の形で続ける”選択もOK(家庭練習や動画レッスンなど)
「やめる=失敗」ではありません。
一度やめても、そこで得た経験は必ず次に生きます。むしろ「自分で選んでやめる」という判断力が育った証拠でもあります。
好きなことに出会えた子は、そこからぐんぐん伸びていきます。親はその“きっかけ作り”をしてあげるだけで十分。焦らず、楽しそうな表情を目印に、のびのびと応援していきましょう。
小学生|「継続」と「達成感」を育てる時期
小学生になると、学校・宿題・友達関係と、生活の中心が一気に広がります。だからこそ、習い事を“続ける力”が問われる時期でもあります。低学年ではまだ体力も限られているため、「楽しく通える範囲で続ける」ことが最優先。週1〜2回程度がちょうど良いペースです。高学年になると、目標を意識したり、部活や友達との関係の中で自分の優先順位を決めたりと、精神的な成長も見えてきます。
私の家庭では、子どもが「やめたい」と言ったとき、すぐに否定せず、まず理由を聞くようにしています。練習が大変、友達と合わない、思うように上達しない――どの理由にも、その子なりの気持ちがあります。焦らず向き合うことで、次に進むための“自分で考える力”が育つと感じています。
“やめる経験”も、実は成長のひとつ。
「自分で始めて、自分で終える」という体験は、責任感と自己決定力を養う貴重な機会です。
低学年(1〜3年生)|“楽しみながら続ける”がテーマ
低学年のうちは、学校生活に慣れることが最優先。集中力もまだ短いため、長時間の習い事よりも、1回45〜60分以内の活動がベストです。
おすすめは、スイミング・ピアノ・体操・ダンスなど、体を動かす+リズムに触れる習い事。
この時期は「通うこと自体が成長」と考え、上達よりも「笑顔で終われるか」を重視しましょう。
また、スケジュールを詰め込みすぎると「疲れた」「行きたくない」が増える原因に。週末だけ、または放課後1日だけなど、家族全体で無理のない計画を立てるのがポイントです。
中学年(4年生前後)|“挑戦と継続”を意識する時期
学年が上がると、子ども自身に「もっと上手くなりたい」「次の級に合格したい」という意識が芽生えます。この頃から、努力と結果の関係が理解できるようになり、達成感がモチベーションに変わるタイミングです。
ただし、学校の宿題や友達付き合いも増えるため、時間管理が重要になります。
一緒にスケジュールを確認し、「この曜日は練習」「この日はゆっくり休む」と、“自分で予定を立てる練習”をさせるのも大切な学びです。
親は「練習しなさい」と言うより、「どの時間にやる?」と質問で促すスタンスが効果的。自分で決めたことなら、子どもも納得して行動できます。
高学年(5〜6年生)|“目標を持ってやり抜く”段階へ
高学年になると、得意分野がはっきりしてくる子も多く、検定や大会など明確な目標を持つようになります。この時期は、単なる習い事が「挑戦の場」や「自己表現のステージ」へと変化していく段階。
たとえばピアノの発表会や空手の昇級試験、サッカーの大会など、目標を達成する喜びが“やり抜く力”を育てます。失敗や挫折を経験しても、それを乗り越える過程にこそ大きな成長があります。
一方で、勉強や友人関係のプレッシャーも増えるため、「やめたい」と言い出すことも珍しくありません。そんなときは、無理に続けさせるよりも「どこがしんどいのか」「どうすれば続けやすくなるか」を一緒に考えましょう。
“続け方を変える”という柔軟な選択も、立派な継続です。
親のサポートで差がつく“継続力”
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練習を見守るより「見てたよ」「今日も頑張ってたね」と声をかける
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成果だけでなく“努力”を褒める(「〇〇が上手くなったね」ではなく「続けてるのがすごいね」)
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行きたがらない日は「1回お休みしてもいいよ」と余白を持たせる
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家族で「できるようになったことノート」をつけると、努力の可視化につながる
子どもが「やってよかった」と思える習い事こそ、人生の財産になります。
親は「やらせる人」ではなく、「一緒に伴走する人」として、見守る姿勢を大切にしたいですね。
目に見える成果よりも、毎週同じ場所に通い、努力を重ねるプロセスこそが、後の学びや人生の土台になります。
やめる勇気も、続ける覚悟も、どちらもその子の成長の証です。
習い事を始めるときに意識したいポイント
習い事を始めるときに大切なのは、「何を学ばせるか」よりも、「どう始めるか」。せっかくの学びの場も、子どもにとってストレスになってしまっては意味がありません。ここでは、家庭で意識しておきたい3つの視点をもう少し深く掘り下げてご紹介します。
子どもの性格をよく観察する
同じ年齢でも、性格やタイプによって合う習い事はまったく違います。
たとえば、内気で慎重な子には、少人数でアットホームな雰囲気の教室や、個人レッスン型の習い事がおすすめです。先生との信頼関係が築けることで、安心して少しずつ自信を持てるようになります。反対に、活発で人と関わるのが好きな子は、チームスポーツやダンスなど、体を動かす習い事でエネルギーを発散させるのがぴったり。
性格に合わせることは、続けるための第一条件です。
「流行っているから」「友達が行っているから」という理由で決めると、合わないときにストレスが増えやすくなります。体験教室や見学のときに、子どもの表情をよく観察して、「楽しそうか」「緊張しすぎていないか」を見るのが一番の判断材料です。
無理のないスケジュールを組む
習い事を始めたばかりの頃は、つい“やる気”に任せて予定を詰め込みがちです。ですが、保育園や学校、宿題、家庭での時間を考えると、1日があっという間に終わってしまいます。特に小さな子ほど、疲れやすく、生活リズムが乱れると体調にも影響が出やすいです。
「休む時間も習い事の一部」と考えるくらいでちょうどいいでしょう。
平日は1〜2回までにして、週末は家族でリフレッシュする日を作るなど、メリハリのあるスケジュールを意識します。また、子どもの集中力が高い時間帯(午前中や放課後すぐ)に合わせると、ぐずりが減ってスムーズに続けやすくなります。
家庭全体の生活リズムを大切にしながら、「その子の体力」と「家庭の余裕」を両立させることが、長く続けるためのカギです。
親のサポートは“見守り役”に徹する
習い事をしていると、つい「もっと上手になってほしい」「早く上達してほしい」と思ってしまうもの。ですが、その気持ちがプレッシャーになり、子どもが自信をなくしてしまうこともあります。
送り迎えや道具の準備、練習の声かけなど、親のサポートは確かに必要です。でも、肝心なのは“応援の仕方”。
「頑張ってるね」「今日も行けたね」と、行動そのものを褒める言葉が、何よりの励みになります。
「できる・できない」よりも、「続けられていること」を認めるのが大切です。
上達のスピードは人それぞれ。親が焦らず、見守る姿勢を保つことで、子どもは安心して挑戦を続けられます。
また、家庭では「失敗しても大丈夫」という空気をつくってあげましょう。失敗を恐れずに何度も挑戦する力こそが、習い事を通して得られる一番の財産です。
「子どもに合っているか」「家庭のペースに無理がないか」「笑顔で通えているか」——この3つを定期的に振り返るだけで、習い事はずっと心地よいものになります。
焦らず、子ども自身のペースを尊重して見守っていきましょう。
まとめ|「いつから始めるか」より「どう始めるか」が大切
習い事を始める時期は、家庭の環境や子どもの性格、興味の方向によって本当にさまざまです。まわりの子がもう通っていると焦る気持ちが出てくるかもしれませんが、「うちの子に合ったタイミング」で始めることが何より大切です。早く始めたから伸びる、遅いから遅れる――そんな単純な話ではありません。
習い事の一番の目的は、“上達”ではなく“成長”です。
先生や友達との関わりの中で、「ありがとう」「もう一回頑張ってみよう」といった小さな気づきや感情が、子どもの内面を豊かにしていきます。始めるタイミングが少し遅くても、本人が心から「やってみたい」と思えたときにスタートすれば、その分集中力も吸収力も高くなります。
私自身、親として「今がそのタイミングかも」と感じる瞬間は、子どもの何気ない一言から訪れることが多いです。
「〇〇ちゃんみたいにやってみたいな」「先生に褒められたい」――そんなつぶやきが出たときこそ、子どもの内側に“意欲の火”が灯ったサインです。その気持ちを逃さず、そっと背中を押してあげる。それが親にできる最高のサポートだと思います。
一方で、無理に始めさせると、子どもは“やらされている”と感じ、途中で嫌になってしまうこともあります。
もしうまくいかなかったとしても、それは失敗ではありません。その経験を通して「自分に合うもの」「次にやってみたいこと」が見えてくるのです。習い事は“点”ではなく“線”で考えるもの。ひとつの経験が、次の挑戦の土台になります。
だからこそ、親が焦らず「今この子に合っているか」を見つめることが大切。
“習い事を通して何を得てほしいか”という目的を共有できると、親子で同じ方向を向いて歩けます。
今日の会話の中で、子どもが「〇〇やってみようかな?」とつぶやいたら、それはきっと小さなスタートの合図。
その瞬間を大切に、プレッシャーではなく期待と応援を込めて、ゆるやかに一歩を踏み出していきましょう。
「いつ始めるか」より、「どう始め、どう見守るか」。それが、子どもの未来を明るく照らす第一歩です。


この年齢の習い事は“結果を出す場”ではなく、“自信を育てる場所”。親子で笑顔になれる時間を、ゆっくり積み重ねていきましょう。