PR

香典返しを郵送する場合の送り状はどう書く?心のこもった言葉の選び方

法事・贈答・マナー集

香典をいただいた方に直接お会いできない場合、香典返しを郵送することがありますよね。ただ、「送り状には何を書けば失礼にならないの?」「どんな言葉で感謝を伝えるのが正しいの?」と迷う方も多いと思います。私も初めてのときは、文章が形式的になりすぎてしまい、「これで思いは伝わるのかな…」と不安になりました。

この記事では、郵送で香典返しを送る際の送り状の基本構成や具体例、家族との会話から学んだポイントを交えながら、わかりやすく解説します。これを読めば、心のこもった送り状がすぐに書けるようになります。

香典返しを郵送する際に送り状が必要な理由

香典返しを郵送する場面では、単に品物を送るだけでは「感謝の意」が十分に伝わらない可能性があります。送り状は、「ご厚意に対する深いお礼」と「無事に四十九日や忌明けの法要を終えた」という報告を兼ねる、大切な礼状です。特に近年は、遠方の方や高齢の親族への配慮から郵送で香典返しを行うケースが増えており、その分送り状の役割はより重要になっています。

郵送の場合は言葉が「直接の挨拶」になる

対面であれば、「その節はありがとうございました」と表情や声のトーンで気持ちを伝えることができます。しかし郵送では、届けられるのは「品物」と「送り状」だけ。つまり、送り状の文章がそのままご挨拶となります。
特に弔事は「言葉の選び方ひとつ」で相手の受け取り方が変わるため、丁寧かつ心を込めた文章が欠かせません。形式を守りながらも温かみのある言葉を添えることで、「きちんとお礼を伝えたい」という気持ちが相手に伝わります。

弔事特有の表現を使うことで礼節が整う

香典返しの送り状には、お祝いごとの礼状とは異なる独特のマナーがあります。たとえば、「繰り返す」「重なる」という意味を連想させる忌み言葉を避けたり、「ありがとう」のような直接的な表現ではなく「厚く御礼申し上げます」といった慎ましい言い回しを用います。こうした言葉遣いによって、哀悼の意を保ちながら礼を尽くすことができます。
送り状を正しい形式で添えることで、故人や遺族の人柄が丁寧であるという印象を与えることにもつながります。

気持ちの区切りとしての役割もある

送り状は、受け取る側だけでなく、送る側にとっても「忌明けを迎えた」という気持ちの区切りになります。品物をお渡しすることで、悲しみの期間から少しずつ日常へ戻るという意味も持ちます。「無事に法要を終え、一区切りついた」という報告を文章にすることで、遺族自身の心の整理にもつながるのです。

送り状は、形式的なものではなく、「感謝」「報告」「区切り」の3つの役割を持つ、弔事において欠かせない大切な一枚です。

送り状に入れるべき基本構成

送り状は決して難しいものではなく、「いつ・どのような気持ちで・何を送るのか」を順を追って伝えるだけで自然な文章になります。以下の4つの流れに沿って書けば、形式を整えながらも心のこもった文面に仕上がります。

① 頭語と前文(季節の挨拶+訃報のお礼)

送り状は「拝啓」「謹啓」といった頭語で始め、季節の挨拶を交えながら相手の健康や安寧を気遣います。そのうえで、故人への香典を賜ったことへの感謝を伝えます。ここは送り状の「入り口」となる部分であり、第一印象を決める大切な導入です。特に弔事の場合は控えめで落ち着いた表現を選ぶことが重要です。

例:「時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます」ではなく「時節柄、ご自愛のほどお祈り申し上げます」など、悲しみの状況にふさわしい表現を用います。

② 忌明けの報告

ここでは、四十九日法要や忌明けを無事に終えたことを丁寧に報告します。忌明けを迎えたということは、ひと区切りがついたという意味であり、香典返しをお送りする正式なタイミングでもあります。「無事に法要を済ませることができました」という一文は、相手への安心感にもつながります。

例:「おかげさまで去る◯月◯日に四十九日の法要を相済ませました」

③ 香典返しの品についての説明

次に、「感謝の気持ちを形にしたお品をお送りしました」という旨を伝えます。この部分は相手に対して「受け取ってください」というお願いの役割を持つため、謙虚で丁寧な言葉遣いが求められます。ここでのポイントは「ささやかではございますが」「感謝のしるしとして」という表現で、“お返し”ではなく“お気持ちへの御礼”であることを示すことです。

例:「つきましては、心ばかりの品を同封いたしましたのでご笑納いただければ幸いです」

④ 結びの挨拶

最後に、相手の健康や今後の変わらぬお付き合いを願う言葉で締めくくります。弔事の文章では、過度な希望や未来の喜びを強調する表現は避け、「静かな気遣い」を込めるのが適切です。この結びの一文によって、送り状全体の印象が決まります。

例:「末筆ながら、皆様のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます」など、穏やかで丁寧な言葉で締めくくります。

この4つの構成を守ることで、形式と心遣いの両方が整った送り状になります。文章全体を通じて、「香典をいただいたことへの感謝」と「静かな感情の区切り」を伝えることが大切です。

送り状の文例(そのまま使える例)

送り状は形式的な文章と思われがちですが、実際には「故人や遺族の気持ちを伝える大切な手紙」です。ここでは、一般的な文面と親しい方に送るやや柔らかい文面をもとに、より丁寧で心のこもった表現にふくらませた例をご紹介します。状況に応じて使いやすいよう、それぞれに一言添える部分を加えています。

一般的な文面(丁寧で格式のある表現)

拝啓
過日はご丁重なるご香典を賜り、厚く御礼申し上げます。
おかげさまで去る○月○日に、四十九日の法要を滞りなく相済ませることができました。
これもひとえに皆様からの温かいご厚情の賜物と、家族一同深く感謝いたしております。
つきましては、生前賜りましたご厚誼への感謝のしるしとして、心ばかりの品をお送りいたしました。ご多用の中とは存じますが、ご受納いただけましたら幸いに存じます。
今後とも変わらぬご厚情を賜りますようお願い申し上げます。
敬具

※ポイント:一般的な文面では「型」を大切にしつつ、法要を終えたことへの報告と感謝の気持ちを丁寧に伝えます。「厚く御礼申し上げます」という表現は、深い感謝を伝える最も適切な言い回しとされています。

親しい方への少し柔らかい文面(穏やかな気持ちを込めて)

拝啓
このたびは温かいお心遣いを賜り、心より感謝申し上げます。
おかげさまで○月○日に無事に忌明けの法要を終えることができ、少しずつ日常を取り戻しつつございます。
故人も皆様のお心に支えられ、安らかに見送ることができたことと存じます。
つきましては、お世話になりました感謝の気持ちを込めまして、ささやかではございますが品をお送りいたしました。どうぞお納めいただき、故人を偲んでいただければ幸いです。
これからも変わらぬお付き合いをお願い申し上げます。
敬具

※ポイント:親しい方には、形式を守りながらも「心情」を伝える表現を少し増やすと、遺族としての想いが自然に伝わります。特に「故人もきっと喜んでいると思います」などの一文は、心の距離が近い相手には大変好まれます。

このように、少し言葉を補足するだけで、同じ「送り状」でも相手の受け取り方は大きく変わります。香典返しは形式ではなく、「感謝の気持ちを丁寧に届ける行為」であることを意識して書くと、より温かみのある文章になります。

私の体験談|家族で送り状の言葉を選んだ日

初めて香典返しを郵送することになったとき、私は正直とても緊張していました。「形式を守らなければいけない」というプレッシャーと、「故人の思い出を大切にしたい」という気持ちが交錯し、どんな表現が正解なのか迷ってしまったのです。夫と一緒に下書きを読み返しながら、「この言い方は少し堅すぎるかな?」「もう少し感謝の気持ちが伝わるようにしたいね」と、何度も言葉を入れ替えました。

特に悩んだのが、母の人柄をどう表現するかという点でした。母はいつも「みんなのおかげで」と感謝を忘れない人でした。その言葉を送り状の中にそっと入れるだけで、不思議と文章全体に温かみが生まれ、私たち家族の気持ちが自然と込められていきました。「マナーに沿った形式」だけでなく、「故人らしさを少しだけにじませること」が、送り状に込める思いを深めてくれるのだと感じた瞬間でした。

送り状は、ただのビジネス文書ではありません。故人を思い出しながら言葉を選ぶ時間そのものが、家族にとっての大切な「心の整理の時間」になるのだと、そのとき初めて実感しました。

郵送時に気をつけたいマナーと注意点

香典返しの送り状は、感謝の気持ちを表すだけでなく、「哀悼の意を正しく伝える」という大切な意味を持っています。特に郵送の場合は直接会って話すことができないため、文章ひとつで印象が決まります。以下のポイントを押さえることで、相手に対して失礼のない、品位ある送り状になります。

忌み言葉は使わない

弔事では、「不幸が繰り返されること」を連想させる表現は避けるのが基本です。たとえば「重ね重ね」「度々」「再び」「繰り返し」「追って」などの言葉は、連続する不幸を暗示するため不適切とされています。
送り状は“区切り”を伝える文章であるため、繰り返しを連想させる表現は避け、落ち着いた一文でまとめることが大切です。

句読点を使わないのが基本

弔事の文章では「句読点(、。)を使わない」のが正式な書き方とされています。これは「文をとどめる」「区切る」ことを避けるためであり、「気持ちが途切れないように、故人を偲ぶ心を途切れさせない」という意味が込められています。また、目上の方への手紙文化で培われた慣習でもあります。
自然な読みやすさを保つために、改行や言い回しでリズムを調整すると、美しく整った文章になります。

お礼の気持ちは控えめに

香典への感謝を伝えることは大切ですが、お祝い事と違って「喜びを前面に出す表現」は避けるべきです。たとえば「うれしいです」「本当に助かりました」などは不向きで、「厚く御礼申し上げます」「深く感謝いたしております」といった落ち着いた表現が適切です。
控えめでありながらも、感謝の気持ちが丁寧に伝わる表現こそが、弔事の文章にふさわしい礼節ある言葉なのです。

これらのマナーは、相手を思いやる気持ちと故人への敬意を表すためのものです。「形式だから守る」のではなく、「読む相手に失礼のないように」という心配りが大切になります。

まとめ|送り状は「形式」ではなく「気持ちを届ける手紙」

香典返しを郵送する際の送り状は、ただの挨拶文ではありません。相手への感謝と、故人を見守ってくださったことへのお礼を伝える大切な役割を持っています。形式を守りつつ、ほんの少しだけ自分の言葉を添えることで、心のこもった一通になります。「正しく書けるかな…」と不安になるかもしれませんが、この記事に沿って書けば必ず形になります。今この瞬間の感謝の気持ちを、送り状に込めてみてくださいね。

タイトルとURLをコピーしました