葬儀の準備は、心身ともに本当に大変ですよね。私も親族の葬儀を経験したとき、喪主ではなかったのに、親戚やご近所への対応で頭がいっぱいに。そんな中で「会葬礼状って、どう書くの?」と突然聞かれ、慌ててスマホで検索したのを覚えています。
この記事では、会葬礼状の基本構成や文例、手書き・印刷の違いなど、初心者でも安心して対応できるようにまとめました。子育て中でも短時間で準備できるコツもお伝えするので、いざというときの備えとして、参考にしていただけたらと思います。
会葬礼状ってなに?どんなときに渡すの?
会葬礼状(かいそうれいじょう)は、葬儀や通夜に参列してくださった方へ感謝の気持ちを伝えるための挨拶状です。
たとえば、受付で香典を受け取ったあと、返礼品(香典返し)と一緒に渡される封筒の中に入っていることが多いですよね。そこに入っている小さな紙、それが会葬礼状です。
書かれている内容は、「このたびはご会葬いただきありがとうございました」といったお礼の言葉が中心で、形式的ではありますが、故人に代わって参列者へお礼を伝える、大切な気持ちの橋渡しになります。
誰が用意するもの?
準備を担当するのは、基本的には喪主、または喪主に近い立場の家族です。
我が家の場合は、義母が喪主を務めましたが、「礼状はそっちでお願いね」と軽く頼まれた形で、私が文面づくりを担当することに。正直、「え、会葬礼状って何?文章って決まってるの?どこで用意するの?」と頭の中が真っ白になりました。
でも今思えば、葬儀社に丸ごとお願いするだけでなく、自分たちで一部を把握しておくと、あとで慌てずに済むなと感じています。
実際、葬儀社では定型の文例を用意してくれていて、内容の確認や修正の相談もできました。少し手直ししたいところがあっても、「ここだけ変えたいんですが…」と伝えれば柔軟に対応してもらえました。
時間や気持ちに余裕がない中だからこそ、内容の確認だけでもしておくと安心です。
手書き?それとも印刷?
最近では、ほとんどが印刷された礼状を使うケースが主流です。
葬儀の参列者が多い場合、1枚ずつ手書きで用意するのは現実的ではありませんし、葬儀社側も印刷を前提にしたフォーマットを提供してくれることが多くなっています。
ただ、少人数の家族葬や、特に親しい方へのお礼状については、一言でも手書きのメッセージを添えるだけで、グッと印象が変わるなと感じました。
義母の葬儀では、近所の方々や仕事関係の方には印刷の礼状で統一しましたが、祖母の古くからの友人や親戚には、私が一筆加えた礼状を添えました。
「わざわざ書いてくれてありがとうね」「気持ちが伝わってきたよ」と、後日お礼の言葉をいただけて、形式を越えた“心の通ったやりとり”ができたように感じました。
このように、「誰にどう渡すか」を少し意識するだけでも、礼状が持つ意味合いは大きく変わります。
会葬礼状の基本構成と文例
葬儀の準備って、やることが多すぎて、会葬礼状のことまでなかなか頭が回らないんですよね。私も義母の葬儀のとき、葬儀社から「礼状はこれで大丈夫ですか?」と聞かれて、初めて文面をじっくり見た記憶があります。
初めて書くときは、「どこから始めて、どこで締めたらいいの?」「故人のことってどこまで書くの?」と不安になると思います。ここでは、一般的な会葬礼状の構成と、実際に使える印刷用の文例をご紹介します。
基本構成はこの4つ
会葬礼状には、いくつかの決まったパターンがあります。以下の4つの流れを押さえておけば、形式としては問題ありません。
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冒頭のあいさつ(会葬のお礼)
…「このたびはご会葬いただき、ありがとうございました」と感謝の気持ちを述べます。 -
故人についての紹介
…「亡き◯◯儀」と書くことで、誰の葬儀であったかを明確に伝えます。 -
生前のご厚情への感謝
…故人が生前にお世話になったこと、支えてくださったことへの感謝を述べます。 -
今後の変わらぬお付き合いのお願い
…「これからもよろしくお願いいたします」という気持ちを込めた、形式的な挨拶です。
この4つの流れが自然につながるようにまとめると、礼儀正しく、読みやすい文面になります。
実際の文例(印刷用)
下記は、一般的な会葬礼状でよく使われる印刷文例です。葬儀社に依頼すると、ほぼこの内容で準備されることが多い印象です。
謹啓 亡き○○儀 葬儀に際しましては ご多用中にもかかわらずご会葬を賜り 誠にありがとうございました
おかげさまで滞りなく葬儀を執り行うことができました
生前中は公私ともに格別のご厚誼を賜り 厚く御礼申し上げます
今後とも変わらぬご厚情を賜りますようお願い申し上げます
略儀ながら書中をもって御礼申し上げます
敬具
令和◯年◯月
○○家一同
このように、感情を入れすぎず、あくまでも丁寧で簡潔な定型文としてまとめるのが基本です。
読み手にとっては「何か特別な言葉をかけられている」というより、「儀礼として、きちんと整えられた文面だな」という印象になります。それが悪いというわけではなく、むしろ多数の方に渡す場合にはこの“ほどよい距離感”が大切なのだと感じます。
もし親しい方やごく近しいご家族に対して、もう少し気持ちを込めたい場合には、あとからひと言添えるとより丁寧になります。
私が実際に準備した会葬礼状の体験談
祖母の葬儀で、思いがけず私が会葬礼状の文面を担当することになったときのことです。
喪主は父でしたが、準備全体がバタバタしていて、「礼状までは手が回らないからお願いできる?」と頼まれてしまい、気づけば私の役目になっていました。
正直、葬儀自体が初めての経験で、「礼状って、そもそもどういうもの? 書き方は? 失礼のない言い回しって?」と、わからないことだらけ。
テンプレートをネットで探しながらも、「形式だけで終わらせていいのかな」という思いが拭えず、どうしても“気持ちを込めたい”という気持ちが湧いてきたんです。
テンプレートのままでも充分ではあるのですが、祖母が生前にとてもお世話になっていた親戚やご近所の方々には、どうしてもひと言添えたくて。
たとえば、親しくしてくださっていた叔母には、こんなふうに一言を加えました。
叔母様には、祖母がいつも感謝しておりました。ご会葬いただき、誠にありがとうございました。
この文章は、手書きではなく、ワープロ印刷した礼状の余白部分に、ペンで丁寧に書き添えました。
あとから叔母から電話がかかってきて、「あの一言がうれしかったよ。ちゃんと気持ちが伝わった」と言ってもらえて、形式だけでは生まれない“つながり”を感じられた瞬間でした。
時間に追われる中でも、数行のメッセージなら無理なく書けるし、相手の心に残るんだなと実感しました。
たとえ全員に書けなくても、大切な人にだけでもひと言を添えることで、自分自身も納得のいく送り方ができたような気がしました。
「忙しいから印刷で済ませたいけど、ちょっとだけ気持ちも伝えたい」――そんなときには、ほんの一言の手書きメッセージがすごく効果的ですよ。
手書きと印刷の違い|どちらがよいの?
会葬礼状を準備するとなると、まず悩むのが「手書きにするべき?印刷でいいの?」という点だと思います。私自身も最初は迷いましたが、実際に経験してみて、それぞれに良さと役割があるんだなと感じました。
ここでは、印刷と手書き、それぞれのメリット・デメリットをまとめてご紹介します。
印刷のメリット・デメリット
【メリット】
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参列者が多い場合でも一括で用意できるため、とにかく手間がかからない
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定型文があるので、文面に迷うことが少ない
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多くの場合、葬儀社が用意してくれるため、家族の負担が軽減される
印刷された会葬礼状は、葬儀の段取りで忙しい中でもスムーズに準備できる点が大きなメリットです。喪主やその家族が他の対応に追われている中で、礼状だけでも安心して任せられるというのは、本当にありがたいことでした。
【デメリット】
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定型的な文面になりやすく、気持ちがこもっていない印象を与えることも
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一人ひとりに向けた内容ではないため、やや形式的になりがち
とくに高齢の親戚や近所づきあいが深い方には、「味気ない」と思われることもあるかもしれません。
手書きのメリット・デメリット
【メリット】
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気持ちや人柄がダイレクトに伝わり、温かみがある
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親しい方へのメッセージとしては、非常に印象に残る
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受け取った方が「ちゃんと覚えていてくれたんだ」と感じやすい
私の祖母の葬儀のときもそうでしたが、古くからのお付き合いがある親族に一筆添えたところ、「本当にありがとうね」と丁寧に返事をいただきました。礼状が“気持ちのやりとり”になる瞬間でした。
【デメリット】
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一枚一枚に時間がかかる
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表現に悩んだり、失礼がないかを気にしすぎて筆が進まないことも
とくに育児や仕事で時間に追われている身だと、すべてを手書きにするのは現実的ではないですよね。かといって、誰にも書かないのは少し寂しい…。そんなときは、次の方法がおすすめです。
私のおすすめは「印刷+ひと言メッセージの追記」
多くの方には印刷の礼状をお渡しして、親しい方にはその余白に短く手書きでメッセージを添える。この方法なら、時間をかけすぎずに心のこもった対応ができます。
たとえば、
ご多忙のなかお越しいただき、心より感謝申し上げます。
祖母も喜んでいると思います。ありがとうございました。
こうした一言があるだけで、「丁寧に準備されたんだな」と受け取る側も感じてくれるはずです。印刷の効率と、手書きの温かみ、両方をうまく活かせる方法として、個人的にもとてもおすすめです。
会葬礼状を書くときの注意点
会葬礼状は形式的な挨拶文ではありますが、だからこそ細かなマナーや表現に気をつける必要があると感じます。特に私のように初めて書く人にとっては、何がOKで何がNGなのか、判断に迷う部分も多いですよね。
ここでは、私自身が準備を通して学んだ「気をつけたいポイント」を、わかりやすくまとめてみました。
忌み言葉に気をつける
これは意外と見落としがちなのですが、不幸が続くことを連想させる言葉は避けるのが、葬儀にまつわる文書の基本です。
たとえば、
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「重ね重ね」
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「たびたび」
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「再び」
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「続けて」
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「追って」
これらの言葉は、何気なく使いがちですが、「また不幸があるかも」という印象を与えてしまいます。
私はうっかり「たびたびのご面倒をおかけし…」と書きそうになって、葬儀社の方に「この場面では避けた方が無難ですよ」と教えていただきました。
表現はやや堅くても、無難で丁寧な言い回しを選ぶことが安心です。
時候の挨拶は省略でOK
通常の手紙では「〇月〇日、春暖の候〜」といった時候の挨拶がつきものですが、会葬礼状に関しては省いて構いません。
むしろ、時候の挨拶を入れると冗長になりすぎたり、温度差のある文章になってしまうことも。
葬儀に関連する文書は、シンプルで簡潔なほうが好まれるため、「謹啓」で始まり「敬具」で締める流れを守れば、季節の挨拶がなくても失礼にはあたりません。
私も最初は「この時期に合う挨拶って何だろう…」と検索していたのですが、「礼状では省略してOK」とわかったときはホッとしました。
差出人名は「家一同」でも問題なし
差出人を誰にするかも悩みどころですよね。特に喪主本人が高齢だったり、体調的に文面を確認できないようなときは、代わりに家族が対応するケースも多いです。
その場合、「○○家一同」とすることで、家族としての立場で丁寧にまとめられるのが便利です。
私が用意したときも、家族全体で準備していたこともあり、「父の名前で出すより“○○家一同”の方が自然だね」となり、そう表記しました。
受け取る側も誰から来たかは分かっているので、形式的にはそれでまったく問題ありません。
このように、礼儀を大切にしながらも、相手に伝わる表現や心遣いが何より大切です。文章に自信がなくても、ポイントを押さえれば安心して準備できますよ。
香典返しと一緒に渡す?タイミングは?
会葬礼状をいつ、どのタイミングで渡せばよいのか——これは私自身、準備中に一番迷ったポイントかもしれません。
ネットで調べても「即日返し」「後返し」「四十九日」など、言葉ばかりが目に入り、具体的にどうすればいいのかよくわからなくて…。でも葬儀社の方から話を聞いていくうちに、ようやく整理ができました。
まず結論から言うと、会葬礼状は香典返しと一緒に渡すのが一般的です。そのうえで、「即日返し」か「後返し」かによって、渡し方やタイミングが変わります。
即日返しなら葬儀当日に
最近増えているのが、この「即日返し(そくじつがえし)」という方法です。これは、葬儀当日に受付で香典を受け取ったあと、返礼品と一緒にその場でお渡しするスタイルです。
私が祖母の葬儀で準備したときも、参列者が多かったこともあり、香典返しはすべて即日返しにしました。手提げ袋の中に、
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香典返しの品物
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会葬礼状
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返礼品リスト(簡易的な目録)
をセットにしておき、受付でお渡しする形でした。
この場合、会葬礼状は返礼品にそっと添えるように入れておくのがマナーです。袋の中に無造作に入れるのではなく、上に乗せるか、封筒に入れて丁寧にセットすることで、印象もぐっと良くなります。
後返しの場合は郵送で
一方で、「後返し(あとがえし)」という方法もあります。これは、香典返しを後日改めて送るやり方で、参列者の香典の額に応じてお返しの品物を選びたいときや、急な葬儀で返礼品の準備が間に合わなかったときに選ばれることが多いです。
この場合は、香典返しの品物と一緒に、会葬礼状も必ず同封するのがマナーです。
私の知人のケースでは、四十九日法要を終えてから郵送で返礼品を送ったとのことで、その際にきちんと礼状も添えていたそうです。
発送方法についても注意が必要で、
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送り状(宅配便の伝票)に喪主の名前を記載
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品物は熨斗(のし)つきで丁寧に包装
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礼状は封筒に入れて、品物の上に乗せて同梱
というかたちが一般的です。
特に高齢の親戚や遠方の方へ送るときは、簡易書留や宅配便で確実に届くように配慮すると安心です。
どちらの方法を選んでも、ポイントは「会葬礼状をきちんと添えること」。
形式的な一文でも、「参列してくださってありがとう」という気持ちがちゃんと伝わるものだと感じました。葬儀の印象を左右する細やかな心遣いのひとつとして、丁寧に準備したい部分です。
忙しい中でも礼状の準備をスムーズに進めるコツ
葬儀の準備って、本当に時間との勝負ですよね。
特に私たちのような子育て世代にとっては、普段の家事・育児に加えての段取りで、気がつけば1日があっという間に過ぎてしまいます。
そんな中で「会葬礼状まで考えなきゃいけないの!?」と思ってしまう気持ち、私も痛いほどわかります。
ここでは、私自身の体験をもとに、少しでも負担を減らしつつ丁寧に準備するための工夫をご紹介します。
テンプレートを活用する
まずおすすめしたいのが、ネットや葬儀社が用意しているテンプレートを活用すること。
検索すれば無料で公開されているものがたくさん見つかりますし、定型文をベースにすれば、文章構成を一から考える必要がありません。
私も「会葬礼状 文例 無料」と検索して、いくつかのパターンを比較しながら、「この言い回しは祖母に合ってるかも」「ここの部分は削ろうかな」と調整して使いました。
そのまま使ってもOKですし、ひと言気持ちを添えるだけでも十分。一から全部書こうとせず、まずは“写す・選ぶ”ところから始めてみると、グッと気がラクになりますよ。
メモアプリに下書きを
私は文面を考えるとき、スマホのメモアプリをフル活用しました。子どもと出かけている途中や寝かしつけのあと、ふと「あの言葉の方がいいかも」と思いついたら、すぐにメモ。
スマホで管理しておくと、時間や場所を問わずチェックや修正ができるので、本当に便利です。
葬儀社や印刷所にメールでデータを送るときも、スマホのメモからコピー&ペーストすれば一発。思った以上にスムーズに準備が進んで、「忙しいのに意外とできた…!」と達成感すらありました。
子どもが寝たあとの静かな時間に
昼間はとてもじゃないけど集中できない…そんなときは、子どもが寝静まった夜の時間を“作業タイム”に充てるのがおすすめです。
私の家庭では、夫婦で「この1時間だけ一緒にやろう」と決めて、私は文面の最終確認、夫は印刷の手配を担当。夫も「こういう文章って難しいけど、大事だよな」と言いながら協力してくれて、気持ちの面でも支えになりました。
夜の静けさの中で集中して準備ができたことが、今では穏やかな記憶として残っています。
礼状づくりは慣れない作業かもしれませんが、少しの工夫で気持ちのこもった準備ができます。
完璧を目指さなくても、「これで気持ちは伝わる」と思えるだけで、自分自身の心の整理にもつながる気がしています。
まとめ|気持ちを添える“ひと言”が大切
会葬礼状は形式的なものですが、ちょっとしたひと言を添えるだけで、ぐっと心のこもった挨拶になります。印刷でも手書きでも、「ありがとう」の気持ちが伝われば十分です。
いざというときに慌てないよう、文例や構成を知っておくだけでも安心感が違います。家族の一員として、できる形でサポートできるといいですね。