「法事のお供え物、何を選べばいいの?」
先日、親戚の法事に呼ばれたとき、私はこの疑問に直面しました。子どもがいると外出の準備もバタバタだし、いざ選ぼうとすると「宗派で違う?」「のしは?」「金額はどれくらい?」と悩みだらけ。
同じように迷う方のために、この記事では法事のお供え物に関する基本的なマナーや相場、私の失敗談から学んだ選び方のポイントをまとめました。初めてでも安心して用意できるよう、わかりやすく解説します。
法事のお供え物って、そもそも必要なの?
親戚から「法事に来てね」と連絡をもらったとき、まず頭をよぎったのが「お供えって必要なの?」という疑問でした。
香典だけでいいのか、それとも何か品物も必要なのか…子どもを連れての外出準備もある中で、こうしたちょっとしたマナーの判断に悩むこと、ありますよね。
私も、初めて夫の親戚の法事に参加したときはかなり戸惑いました。
「親戚付き合いの濃さ」や「地域の風習」が関係してくるため、正解が一つじゃないというのも、余計に不安になるポイントでした。
香典との違いとは?
まず押さえておきたいのは、「香典」と「お供え物」はまったく別の意味を持つということ。
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香典は現金を包むもので、主に遺族への経済的な援助やお悔やみの気持ちを表します。
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一方、お供え物は故人に向けたもので、仏壇や祭壇に供えることによって、「偲ぶ心を形にするもの」なんです。
つまり、香典は「ご遺族への気遣い」、お供え物は「故人への供養」と、それぞれ目的が異なります。
実際には、地域によって「香典のみ」で済ませることもありますし、「香典+お供え」がセットになっていることも。私の実家では後者の方が多く、親戚の中でも「何かしら品物を持っていくのが普通」という雰囲気がありました。
地域や親戚間の暗黙のルールがある場合も多いので、事前に確認しておくと安心です。
誰が用意するべき?
基本的には、呼ばれた側である参列者が自分で用意するのがマナーとされています。
特に故人との関係が近い場合や、親戚づきあいの中で「いつも何か持っていくのが当たり前」のような雰囲気があると、香典だけでは少し気が引ける…そんなこともありますよね。
実際、私が一度「今回は香典だけにしようかな」と思っていたとき、義母から「何かひとつでもいいからお供えがあると喜ばれるよ」とアドバイスをもらい、慌てて和菓子を買いに走ったことがあります。
そのときは結果的に「持ってきてくれてありがとう」と言ってもらえてホッとしました。
たとえ「気を遣わないで」と言われても、気持ちとして何か添えたいと思うのが日本の文化らしさなのかもしれません。
お供え物の定番と選び方のコツ
正直、「どんなものを選べばいいのか全然わからない!」と思っていた私。
スーパーのギフトコーナーで立ち尽くしたこともあります。見た目は立派でも、法事に合うかどうかはわからないし、失礼にならないか心配で…。
でも実際は、選び方のちょっとしたコツを知っておくだけで、安心して準備できるようになりました。
よく選ばれる定番品
法事のお供え物としてよく選ばれるのは、以下のような品です。
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和菓子(最中、羊羹、カステラなど)
→上品で日持ちし、仏前に供えたあとも親戚で分けやすい -
果物の詰め合わせ
→見た目に華やかさがあり、自然の恵みとして好まれる -
お茶、海苔、乾物などの食品ギフト
→実用性が高く、年配の方にも喜ばれることが多い -
お花(生花・仏花)
→華やかさと丁寧さを伝えられるが、宗派や会場の状況によっては不要な場合も
私が一番安心だったのは、個包装の和菓子セットでした。
最中やどら焼きなど、シンプルで甘さ控えめなものを選ぶと、年配の方にも好評。
実際に親戚の法事で出したときには、「こういうのが一番ありがたいわね」と言ってもらえたんです。
特に法要後に親族でお茶を飲む場がある場合、その場で出してもらえるようなものを選ぶと、場の雰囲気も和みます。
宗派や地域の違いに注意
ここで注意したいのが、宗派や地域によってお供え物の考え方に違いがあること。
特に「浄土真宗」は、供養や供え物の意味が少し違ってくるため、お供えをしないことが前提となっている場合があります。
実際、私の実家(浄土真宗)でも、お供えを持って行こうとしたときに母から「うちはそういうのいらないから」と言われてびっくりしたことが。
とはいえ、「持ってきてくれるなら断らない」というスタンスだったので、結果的に果物を一つ添えて行きました。
つまり、相手の宗派や地域の風習をリサーチすることがとても大事なんです。
もし判断に迷ったら、先方に「どんなお供えが良いでしょうか?」と一言聞いてみるのも、失礼にはなりません。
「気を遣わせてしまうかな」と思って遠慮するより、確認して気持ちよく渡せる方が、相手にとってもありがたいものです。
のし紙の書き方や包み方のマナー
私が法事のお供え物で一番最初に失敗したのが、のし紙の選び方でした。
スーパーのギフトコーナーで「これでいいかな」と何気なく手に取ったのが、なんとお祝い用の紅白ののし…。当日、親戚からやんわりと「それは慶事用だね」と指摘され、恥ずかしさで顔が熱くなりました。
でも、それをきっかけにマナーについてちゃんと調べておくようになり、今では迷うことも減りました。
ここでは、同じように不安な方のために、のし紙の基本と包み方のポイントをまとめておきます。
表書きは「御供」か「御仏前」
まず大事なのが、のし紙の「表書き」です。用途によって使い分ける必要があります。
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一般的な法事(宗派問わず)で広く使えるのは「御供」
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四十九日以降の仏式では「御仏前」も可
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宗派によっては「御佛前」「御霊前」を用いるケースも
とはいえ、法事のお供え物であれば「御供」としておけばほぼ間違いありません。
そして、弔事用なので薄墨ではなく、通常の黒墨で書くのが基本です。
薄墨はお通夜や葬儀など、突然の訃報を受けての「涙でにじんだ墨」を表す場面に限られます。
水引と結び方に注意!
水引は必ず「結び切り」を選びます。色は地域差もありますが、一般的には
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黒白(全国的に使用される)
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双銀(関西や関東一部地域)
お祝い事と違って、繰り返すことを良しとしない場面なので、「蝶結び」は絶対に避けましょう。
私も一度、知らずに蝶結びののしを選びかけたことがありましたが、店員さんに教えてもらえて助かりました。
包装紙は地味めが無難
意外と見落としがちなのが、包装紙のデザインや色味です。
お供え物は「派手ではなく、落ち着いたもの」が基本。
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白やグレーなどの無地
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薄いベージュや淡い紫系もOK
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花柄やピンク、水色の可愛い包装は避ける
私は最初、「地味すぎたかな?」と不安になりながらも、白地にグレーのラインだけのシンプルな包装紙を選びました。
でも後から親戚に「とても丁寧でいいわね」と褒めてもらえて、“控えめなくらいがちょうどいい”というのを実感しました。
気になる金額の相場と、わが家の実例
法事のお供え物を選ぶとき、「何を買うか」と同じくらい気になるのが「いくらぐらいのものを用意すればいいの?」という金額の問題。
私も当時は「高すぎても浮きそうだし、安すぎても失礼かも…」と頭を抱えながら、ネット検索をしまくりました。
でも調べていくうちに、「香典とのバランス」や「関係性による目安」がある程度見えてきたんです。ここでは、私が実際に参考にした金額相場と、わが家の体験談をご紹介します。
一般的な相場の目安
お供え物にかける金額は、地域や家庭によっても幅がありますが、以下の金額が一つの目安とされています。
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親族の場合:3,000〜5,000円程度
(香典とのバランスを考慮しつつ、定番品を選ぶケースが多い) -
ごく親しい関係(兄弟姉妹など):5,000〜10,000円程度
(気持ちをしっかり伝えたい場合にやや高めの品を選ぶ) -
遠方や欠席する場合:2,000〜3,000円+手紙やメッセージを添える
(「出席できない代わりに気持ちだけ」という形)
ここで大事なのが、香典とお供え物は「セットで一つの印象」になるということ。
たとえば香典を1万円包んだなら、プラス3,000〜5,000円程度のお供えが加わって、全体で1万5千円前後というイメージです。
あまり高価な品物にすると、相手に気を遣わせてしまうこともありますし、逆にあまりに安すぎると「形式だけ…?」と思われかねない。
だからこそ「ちょうどいいバランス感」が大切なんだと、私も感じました。
わが家の実例
実際に私が夫の祖母の三回忌に参列したときは、香典1万円に加えて、5,000円程度の和菓子セットを用意しました。
選んだのは、季節の干菓子や最中が個包装で入った落ち着いたデザインの詰め合わせ。
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常温保存OK
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日持ちもする
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手提げ袋付きで持ち運びやすい
という点も重視して、子連れの私でも扱いやすいものを選びました。
当日は移動や準備にバタバタしていましたが、お供えをスッと渡せたことで気持ちにも余裕ができ、義母からも「本当にちょうどいいわね、助かった」と言ってもらえました。
「無理のない範囲で、丁寧さが伝わるもの」を選べば、それだけで充分だと実感した体験でした。
子連れでの法事参加時に気をつけたいこと
お供え物の準備も気を使うけれど、子どもを連れての法事はそれ以上に大変だったというのが、正直な感想です。
うちの息子は当時3歳。30分じっと座っているなんて、無理な話でした。
けれど、「迷惑をかけたくない」「親戚の中で浮きたくない」と思えば思うほどプレッシャーに…。
そんなときに役立ったのが、事前の準備と“割り切る気持ち”でした。
静かに過ごせる工夫
まず意識したのは、「子どもに無理をさせないこと」。
静かにしていてほしい一心で怒ってしまうと、逆効果になることもあるんですよね。
私が用意したアイテムは、以下の3つです。
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お気に入りのおもちゃ(音が出ないもの)
→ミニカーやぬいぐるみ、小さなパズルなど -
絵本や塗り絵
→ページ数が少なく、すぐに切り替えられるものが◎ -
おやつ(音がしない&においが少ないもの)
→ラムネ、ボーロ、スティックゼリーなどが便利
中でも効果的だったのが「いったん外に出る」という選択肢を最初から持っておくこと。
「静かにできないとダメ」と思い込んでいたときより、“一度抜けるのもOK”と決めておいた方が、私自身も気持ちがラクになりました。
外の空気を吸わせて戻ると、意外と落ち着くこともあるので、無理せずやり過ごすのがいちばんだと感じています。
子ども用のお供えは必要?
これは絶対必要というわけではありませんが、ちょっとした気遣いとして子ども名義で持参すると、場が和やかになることも。
わが家では、息子の名前で個包装のお菓子(ミニどら焼きやゼリー詰め合わせ)をひと箱持参し、「○○からの気持ちです」と伝えてお供えしました。
法要が終わったあと、息子が自分で「おばあちゃん、ありがとう」と手を合わせていた姿を見て、親戚のおばさまたちが「まあ、えらいねぇ」とニコニコ。
親の私よりも、子どもが雰囲気を和ませてくれた気がします。
もちろん、「子どもの名前でわざわざ用意するのは大げさかな?」と迷う場合は無理しなくて大丈夫。
でも、気持ちとして何か添えたいと思ったときは、こうした小さなお供えが“想い”として伝わる手段にもなるんだなと実感しました。
まとめ|「気持ちが伝わる」お供え物選びをしよう
法事のお供え物は、正解が一つではありません。でも、「故人を偲ぶ気持ち」と「先方への配慮」があれば大丈夫。悩んだら、
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定番の和菓子やお茶から選ぶ
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のしや包装に気を配る
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相場は3,000〜5,000円を目安に
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宗派や地域の風習を確認する
この4つをおさえておけば、安心して法事に参加できます。
私も最初はドキドキでしたが、少しずつ経験を積んで、今では「ありがとうね」と声をかけてもらえるようになりました。
どうぞ、あなたも自信を持ってお供えを選んでくださいね。