引越しの片付けって、どこから手をつけていいのか悩みますよね。私も子どもが小さい頃に引越しを経験しましたが、毎日の家事や育児をしながらの片付けは本当に大変でした。気づけば荷造りの山に埋もれて「これ間に合うのかな…」と焦ったことも。けれど順番とコツを意識するだけで、驚くほどスムーズに進められるようになります。
この記事では、子育て中の私の体験も交えながら、引越し前後の片付けの流れと効率的な進め方をまとめました。家族の負担を減らし、余裕をもって新生活を迎えるヒントにしてみてくださいね。
引越し前に片付ける順番の基本
使用頻度が低いものから始める
引越しの準備で一番大切なのは「いきなり生活必需品から片付けない」ことです。まずは普段ほとんど使っていないものから始めましょう。たとえば、冬に引っ越すなら夏用の扇風機や水着、逆に夏ならコタツや厚手の毛布などの季節家電や衣類です。来客用の食器や普段は使わない鍋、予備の寝具もこの段階で箱に詰められます。
私は以前、いきなりキッチンの日用品から片付けてしまい、引越しまでの1週間「お玉がない!」「子どものお弁当箱が見つからない!」と毎日のように探し物をしていました。最初から使用頻度の低いものを優先すれば、日常生活に影響を与えず余裕をもって準備を進められます。つまり「今なくても生活できる物」から着手することが効率的なスタートの合図なのです。
子ども用品の扱い方
子どもの持ち物は片付けで最も悩ましい部分かもしれません。特におもちゃや絵本は、いざ段ボールに入れようとすると「それ遊びたい!」「まだ読む!」と子どもが主張して片付けが進まないこともありますよね。
我が家では「引越しまでに使うもの」と「新居でのお楽しみ」に分ける方法を取り入れました。子ども自身に「どれを残しておく?」と選ばせると、納得してくれることが多く、むしろ自分で選ぶことに喜びを感じていました。さらに、引越し後に段ボールを開けるときに「宝箱を開けるみたい!」とワクワクしてくれるので、気持ちの切り替えにもつながります。
このときに注意したのは、ぬいぐるみやお気に入りの本など「安心グッズ」は最後まで手元に残しておくこと。環境が変わる引越しは子どもにとって大きなストレスなので、安心できるアイテムがあるかどうかで落ち着き方が全然違います。
不要品の仕分け
引越しは断捨離の最大のチャンスです。新居に持っていく荷物を減らすことで、作業の負担も引越し代も軽くできます。私自身は「1年以上使っていないものは手放す」というシンプルなルールを決めて進めました。
例えば、キッチンの奥から出てきた「昔一度だけ使ったたこ焼き器」や、子どもがすでにサイズアウトした服。気づけば押し入れの大半を占めていて、引越しを機に処分して大正解でした。使わないものを持ち続けるのは、運ぶ手間と収納スペースの無駄になるだけです。
不要品は、状態が良ければフリマアプリやリサイクルショップで売るのもおすすめ。私もおもちゃや本をまとめて出品し、ちょっとしたお小遣いになりました。逆に壊れているものや使い道がないものは潔く処分。引越し後に「なんでこれ持ってきたんだろう…」と後悔しないためにも、仕分けは早めに行うことが大切です。
部屋ごとの片付け順番と工夫
キッチン
キッチンは生活の中心なので、計画的に進めないと「料理ができない!」と困ることになります。まずは調味料や保存食の賞味期限を確認し、できるだけ引越し前に消費していきましょう。私は冷蔵庫の中をスマホで撮影し、その写真を見ながら数日分の献立を立てました。こうすることで無駄な買い足しを防げて、食品ロスも減らせます。
また、グラスやお皿などの割れ物は早めに新聞紙やプチプチで梱包しておくと安心です。普段の生活には最低限のカップやお皿だけを残しておき、使い終わったらすぐに洗って箱にしまうルールを作るとスムーズ。キッチンは物が多いので「使うもの」と「持っていくだけのもの」をはっきり分けることが大切です。
リビング
リビングは家族が一番長く過ごす空間なので、最後まで生活感が残る場所です。そのため「いきなり全部片付ける」のではなく、雑貨から少しずつ減らしていくのがおすすめ。写真立てや飾り物、シーズンオフのDVDなど、日常に支障がないものから箱に詰めていきます。
我が家の場合、子どもが「このDVDまた見たい!」と急に言い出すことがよくあったので、段ボールには中身を大きく書き、すぐに取り出せるようにしておきました。カーペットやラグは最後に片付けると、引越しの前日まで快適に過ごせますし、床に傷や汚れがつきにくいというメリットもありました。
子ども部屋
子ども部屋の片付けは、本人の気持ちを尊重することが最優先です。大人の都合で一気に片付けてしまうと「まだ遊びたかったのに!」と不機嫌になり、作業が進まなくなることも。私は「この箱は新しいおうちで開ける宝箱だよ」と説明し、箱に「〇〇ちゃんの宝箱」と書いてあげました。すると子どもはワクワクして、自分からおもちゃを入れてくれるようになったんです。
ただし、ぬいぐるみやお気に入りのおもちゃは最後まで残しておくことが大切。引越し当日は環境の変化に不安を感じやすいため、安心できる存在が手元にあるだけで子どもの表情が変わります。子ども部屋の片付けは「作業」ではなく「一緒に楽しむイベント」にする工夫がポイントです。
寝室
寝室は家族が疲れを癒す場所なので、片付けは無理に早く進めず、必要最低限の荷物を残すようにしましょう。布団や枕は直前まで使うので、予備の寝具やオフシーズンの毛布から片付けるのが正解です。我が家では「使うセット」「予備セット」と分けておき、引越し前夜にようやく予備を梱包しました。
また、見落としがちなのがカーテンです。最後まで残しておけば、外からの視線を気にせずに眠れますし、防寒や防音の役割も果たします。逆に早めに外してしまうと、夜に「丸見えで落ち着かない…」と困ることに。段ボールの準備も大切ですが、家族の睡眠環境を守ることも忘れないようにしましょう。
引越し直前に残しておくものリスト
最低限の生活用品
引越し当日まで使う物は「当日バッグ」として家族それぞれに用意しておくと安心です。私はリュックに、歯ブラシやタオル、着替えと下着、常備薬、保険証、マスク、ウェットティッシュ、スマホの充電器とモバイルバッテリー、延長コード、ゴミ袋、養生テープ、軍手、小さなドライバーと六角レンチ、ハサミやカッター、油性ペン、スリッパを入れました。洗面台や玄関には「最後にしまう」付箋を貼って、当日の出し忘れを防止。細かい物は透明ポーチにまとめると家族で共有しやすいです。
洗濯機やカーテンの取り外しで工具が見つからず焦った経験があるので、今は「ツールポーチ」をリュックに常備しています。鍵や印鑑、契約書類、現金は私が必ず身につけるのがわが家のルールです。貴重品と重要書類は段ボールに入れず、必ず手持ちで管理することが肝心です。
子ども関連の必需品
子ども用は「年齢別の安心セット」を意識します。おむつやおしりふき、着替えは2セット、ビニール袋、ポケットティッシュ、タオル、絆創膏、子どもの常備薬や予備の解熱シート、飲み物と小分けのおやつ、ストローマグをリュックに。乳児なら授乳ケープ、哺乳瓶、粉ミルク、保温ボトルや湯冷まし、ガーゼ。幼児〜小学生ならシールブックや塗り絵、折り紙、音の出ないミニおもちゃ、オフラインで見られる動画を入れたタブレットと子ども用ヘッドホンがあると、移動や待ち時間が穏やかになります。母子手帳と保険証も忘れずに。
当日は環境の変化で不安定になりやすいので、好きなぬいぐるみやブランケットなどの「安心グッズ」を最後まで手元に置くと落ち着きます。お気に入りの安心グッズは段ボールに入れず、到着までずっと手元に置いてあげるのがコツです。
食事まわり
当日の食事は「調理しない」前提で準備すると体力を温存できます。紙皿や紙コップ、割り箸、木製スプーン、キッチンペーパー、除菌シート、ラップとアルミホイル、使い捨てのまな板シートをひとまとめに。電気ケトルとマグだけは最後まで残し、インスタント味噌汁やスープ、カップ麺がすぐ作れるようにしておくと助かります。冷蔵庫を空にするため、数日前から「消費献立」を組み、前日は総菜や冷凍食品を活用。要冷蔵の食材はクーラーバッグと保冷剤で新居まで運びました。
新居に着いたら、レトルトカレーや冷凍うどん、カットサラダなど“温めるだけ”メニューに。宅配やテイクアウトの候補店は事前にアプリ登録しておくと、到着後すぐ注文できます。食物アレルギーがある場合は、対応メニューがある店を事前にブックマークしておくと安心。当日の食事は「片付けの合間に片手で食べられるもの」を基準に選ぶと、家族のエネルギー切れを防げます。
引越し後の片付け順番とコツ
生活導線を優先する
新居に到着してすぐに片付けたいのは、まず「生活導線」に直結するスペースです。キッチンと寝室、そしてトイレやお風呂。この3つが整えば最低限の生活ができ、片付けが完全に終わっていなくても安心して過ごせます。
例えばキッチンでは、冷蔵庫を設置し、調理器具や食器を最低限出しておくだけで「食事を作れる」環境が整います。寝室も布団やベッドをすぐに広げられるようにしておけば、どれだけ疲れていてもその日の夜は安心して眠れます。トイレとお風呂は清潔さを最優先に、トイレットペーパーや掃除用具をすぐに出しておくと快適です。
最初に生活導線を整えることで、余裕を持ちながら他の片付けを進められるのが大きなメリットです。
ダンボールのラベリングの効果
段ボールのラベリングは、片付けの効率を左右する重要なポイントです。私は「部屋名+中身」を大きく書くルールを決めました。たとえば「リビング/本」「子ども部屋/服」と書いておくだけで、必要なものを探す時間がぐんと減ります。
さらに便利だったのは、箱の上面と側面の両方に書いておくこと。重ねた状態でも横から中身が分かるので、家族や引越し業者の方も「これはどこに運べばいいか」を迷わずに済みました。また、色付きテープや番号シールを使って「優先度」を示すのもおすすめです。私は「赤=すぐ使う」「青=あとで開ける」と色分けしたことで、最初に開けるべき箱がひと目で分かり、スムーズに片付けが進みました。
子どもとの過ごし方
新しい環境に慣れるまでは、子どもが落ち着かず不安そうにすることもあります。我が家では、片付けの合間に「新しいおうち探検ツアー」を開催しました。リビング、キッチン、子ども部屋を一緒に歩きながら「ここは〇〇ちゃんの部屋だよ」「ここにはおもちゃを置こうね」と声をかけると、子どもは自分の居場所を意識できて嬉しそうでした。
また、子どもの荷物の中から一つだけ「すぐ開ける箱」を作っておくのもおすすめ。お気に入りのおもちゃや本、ぬいぐるみを入れておき、新居に着いたら一番に開けると、子どもにとって安心感につながります。引越し後の片付けを「子どもと一緒に楽しむイベント」に変えることで、家族みんなの負担が軽くなるのです。
効率的に進めるための家族の分担
夫婦での役割分担
引越しの片付けは量も多く、気力も体力も消耗しやすいもの。夫婦で「自分の得意分野を担当する」と考えると、思った以上に効率よく進みます。
我が家では、私は小物や書類、食器などの細かい仕分けを担当し、夫はベッドやタンスなどの大型家具の解体や移動を担当しました。性格的にも私は整理やラベリングが好きで、夫は体力仕事が得意なので、お互いのストレスが少なく済みました。
ここで大切なのは「どちらかが全部抱え込まない」こと。お互いに声をかけながら進めると、作業のペース配分も整いやすくなります。夫婦で役割を明確に分けることで、作業効率が上がるだけでなく、不満が溜まりにくくなるのです。
子どもの協力を引き出す
子どもは一見、片付けの「邪魔をしてしまう存在」と思われがちですが、関わり方次第で立派な戦力になってくれます。たとえば「どの服を新しいおうちに持っていく?」と選ばせたり、「このおもちゃはどの箱に入れる?」と聞いてみたりすると、自分で考えて動いてくれるようになります。
小さな成功体験を積ませることで「自分も引越しに参加しているんだ」という満足感が生まれ、子どもにとっても良い思い出になります。段ボールに「〇〇ちゃんの荷物」と名前を書くのを任せると、さらにやる気が出る子もいますよ。
もちろん年齢によってできることは違いますが、たとえ小さな役割でも「ありがとう、助かったよ」と伝えることで子どもは誇らしげな表情を見せてくれます。引越しを“家族イベント”に変える工夫が、子どもの協力を引き出す最大のポイントです。
実家や友人に頼る
どうしても手が回らないときは、思い切って外部の助けを借りるのも大切です。私の場合は義母に子どもを預け、その間に一気に荷造りを進めることができました。子どもを気にせず集中できる時間があるだけで、作業効率は何倍にもなります。
また、友人に手伝ってもらったときは「この段ボールは何が入ってる?」と第三者目線で質問されることで、自分では気づかなかった不用品の存在に気づくこともありました。外からの手が入ると、ただの片付けがちょっとした交流の時間になり、気持ちもリフレッシュできます。
もちろん頼むのは勇気がいりますが、無理して体調を崩すよりはずっと良い選択です。「助けてもらえるときは遠慮せず頼る」ことは、引越しを成功させるための大切な姿勢です。
まとめ|引越し片付けは「順番」と「工夫」でラクになる
引越しの片付けは大変ですが、使用頻度の低いものから順番に進め、家族で協力し合えば負担はぐっと減ります。子どもも巻き込んで「新生活の準備」を一緒に楽しむことができれば、ただの作業ではなく思い出になります。もし今「どこから始めたらいいんだろう」と悩んでいるなら、まずは一箱でいいので使っていないものをまとめてみてください。その一歩が、引越し全体をスムーズに進めるきっかけになりますよ。