引越しのたびに悩むのが「大掃除」。退去前に掃除を怠ると、敷金の返還トラブルや原状回復費の請求につながることもあります。
また、新居での掃除を後回しにすると、せっかくの新生活が不快なスタートになりかねません。
そこで本記事では、引越しに役立つ大掃除のポイントを初心者でもわかりやすく解説。退去前と入居後、それぞれの掃除のコツや必要な道具、効率的な手順をまとめました。
掃除が不安な方でも安心して進められるよう、具体例やチェックリストもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
引越し前後の大掃除の重要性
引越しと掃除の関係
引越しは、住環境や生活習慣が大きく変わる節目のタイミングです。荷造りや手続きに追われがちですが、そのなかでも忘れてはならないのが「大掃除」です。
引越し前の旧居では、これまで見えていなかった汚れやほこりが、家具の移動により一気に露出します。こうした汚れをそのまま放置して退去してしまうと、トラブルのもとになりかねません。一方、新居に入居する前に掃除を済ませておくことで、安心して生活を始めることができ、気持ちよく新たなスタートを切ることができます。
つまり、引越しと大掃除は切り離せない関係にあり、快適な住み替えを実現するためには欠かせないステップなのです。
大掃除をしない場合の影響
「掃除は業者がするから自分はやらなくても大丈夫」と考える方もいますが、それは大きな誤解です。
実際には、明らかな汚れや放置されたままの状態に対しては、原状回復費として退去者に修繕・清掃費用が請求される可能性があります。特に、水回りや換気扇の油汚れ、床のシミ、壁紙の手垢などは、評価の対象になりやすく、結果として敷金の大部分が差し引かれてしまうケースも少なくありません。
また、新居の掃除を怠ったまま家具を搬入してしまうと、後から掃除がしにくくなり、見えない場所にホコリやカビが溜まってしまう原因にも。アレルギーや健康への影響も無視できないため、引越し直後の清掃は衛生面からも非常に重要です。
退去時の原状回復の意味
原状回復とは、借りた住まいを「借りた当時の状態に戻して返す」ことを意味します。
ただし、国土交通省のガイドラインでは「通常使用による経年劣化」や「日常的な損耗」は貸主の負担とされており、すべてを借主が修繕する必要はありません。
とはいえ、明らかに掃除を怠ったままの汚れや、手入れ不足によるカビ・悪臭・サビなどは、借主の責任として処理費が請求されるケースが多く見られます。
退去時のトラブルを避けるためにも、「最低限の清掃」は借主としてのマナーであり、トラブル回避のカギとなります。
大掃除をしっかり行うことで、余計な費用を抑え、気持ちよく次のステップへ進むことができるのです。
引越し前の大掃除ポイント
退去前に掃除すべき箇所
退去時には、不動産管理会社や大家さんによるチェックが行われます。その際に特に確認されやすいのが「目に見えて汚れが残っている箇所」です。なかでも以下のポイントは重点的に掃除しておきましょう。
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キッチン周り(コンロの油汚れ、シンクの水アカ、排水口のぬめり)
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トイレ(便器内の輪ジミ、タンクまわりのカビ、床の黒ずみ)
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浴室(鏡のウロコ汚れ、カビ、換気扇のホコリ)
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窓・サッシ・網戸(砂埃、虫の死骸、手垢)
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壁・床(手垢や黒ずみ、髪の毛、ベタつき)
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換気扇・フィルター(ホコリと油汚れの混合で落としにくい場所)
とくに「キッチン」「浴室」「トイレ」の水回り3点セットは、汚れが目立ちやすく原状回復費用にも影響しやすいため、念入りに掃除しておくと安心です。
効率的な掃除の準備と道具
掃除は道具選びと準備次第で効率が大きく変わります。以下のような基本アイテムをそろえておきましょう。
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重曹・クエン酸:ナチュラル系洗剤として、キッチンやトイレ、浴室で大活躍。
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メラミンスポンジ:水だけで汚れが落ちるため、壁やシンクの汚れに便利。
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古歯ブラシ・綿棒:細かいすき間や排水口周りの掃除に適しています。
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マイクロファイバークロス:ホコリ取り、水拭き、乾拭きなど幅広く使えます。
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ゴム手袋・バケツ・雑巾・マスク:肌や手荒れ、粉じんから身を守る基本装備。
これらを段ボール1箱にまとめておくと、引越し作業中でもすぐ取り出せて便利です。掃除の順序もあらかじめ決めておけば、ムダな動きが減って作業効率が高まります。
掃除を楽にするハウスクリーニングの利用
「時間が足りない」「自分でやる自信がない」「隅々まできれいにしたい」——そんなときは、ハウスクリーニング業者の利用も有効な選択肢です。
特に以下のようなケースでは、プロの手を借りたほうが結果的にスムーズです。
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フルタイム勤務で掃除の時間が確保できない
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築年数が古く、汚れが蓄積して落ちにくい
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大家との関係を良好に保ちたい(再契約や紹介なども考慮)
費用相場は、1Rで1〜2万円、2LDK以上で3〜5万円前後。水回りのみなど部分的な依頼も可能です。
特に「敷金を多く戻したい」と考えている方には、数万円の投資で数万円以上のリターンが見込めるケースもあります。
引越し後の新居の大掃除
新居での掃除の必要性
「新居=きれい」というイメージを持ちがちですが、実際には入居前の掃除は必須です。たとえ新築であっても、工事の際に出た粉塵や、建材のニオイ、搬入時の足跡などが残っていることがあります。
また、中古物件や賃貸では、前の住人の生活汚れや見えないカビ、ホコリが蓄積されているケースも少なくありません。
そのまま家具を搬入してしまうと、汚れの上から覆ってしまい、後々掃除が難しくなることも。特に小さなお子さんやアレルギー体質の方がいる家庭では、健康面でも清潔な環境を整えておくことが重要です。
最初に掃除すべき場所(キッチン・浴室)
新居での掃除は、「清潔の優先度が高い場所」から始めましょう。特に以下の2つは最優先で掃除すべきエリアです。
① キッチン
調理をする場所だからこそ、最初に除菌・防汚対策を行いましょう。シンク・コンロ周り・排水口・吊戸棚・換気扇フィルターなど、細かい部分まで拭き上げるのがポイントです。
新築の場合でも、シールの粘着跡や手垢などが残っていることがあります。
② 浴室(バスルーム)
湿気がこもりやすく、カビが発生しやすい浴室は、入居前に徹底的に掃除しておくと安心です。
鏡や蛇口の水垢、排水口のニオイ対策、壁や天井の防カビ処理まで行っておくと、入浴時も快適です。
※トイレ・洗面台も合わせて「水回り3点セット」として、早めの清掃が推奨されます。
引越し後のメンテナンスと注意点
掃除とあわせて、新居での快適な生活のために各設備の動作確認とメンテナンスも忘れずに行いましょう。
以下は特にチェックしておきたいポイントです。
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排水口の流れチェック(つまりや臭いがないか)
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換気扇・レンジフードの動作確認と掃除
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エアコンのフィルター清掃と動作確認
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照明器具やスイッチまわりの拭き掃除
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窓・網戸の汚れや建て付けの確認
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洗濯機置き場の水栓・排水の状態確認
さらに、カーテンやカーペットを設置する前に掃除を済ませておくことで、衛生的な状態を長く保つことができます。
特にエアコンフィルターは、前の居住者が使っていた場合、ホコリやカビが溜まっていることも多いため、使用前のクリーニングは必須です。
大掃除の具体的な方法
掃除道具の選び方と使い方
大掃除を効率よく、かつ効果的に進めるためには、用途に合った掃除道具の選定が非常に重要です。適切な道具を使うことで、作業の負担を減らし、仕上がりにも差が出ます。
基本の洗剤選び
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中性洗剤:幅広い素材に対応できるため、キッチン、床、家具、壁などに使えます。
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重曹:油汚れ、焦げつきに強く、キッチンやガス台、レンジフードに最適。
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クエン酸:水アカ、尿石に効果的。トイレ、浴室の蛇口、鏡などに使用。
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アルカリ電解水:洗剤を使いたくない家電周辺や小さなお子様がいる家庭におすすめ。
道具の使い方とポイント
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メラミンスポンジ:細かいこびりつき汚れに有効。ただし、ワックス面やコーティング面には不向き。
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古歯ブラシ:排水口のフチ、サッシのすき間など細部の掃除に最適。
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マイクロファイバークロス:吸水性と拭き取り性能が高く、水拭き・乾拭き両方で使える万能アイテム。
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ゴム手袋・マスク:肌荒れや吸い込みを防ぎ、長時間の掃除でも安心。
作業前に使う道具と場所をあらかじめ分類しておくと、途中で探す手間が省け、作業効率がぐっと上がります。
効率的な掃除手順の解説
大掃除を成功させるには、掃除の順番を守ることが鍵です。無計画に取りかかると、せっかくきれいにした場所がまた汚れてしまう…という非効率な展開になりがちです。
基本原則は「上から下へ」「奥から手前へ」
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天井→壁→家具→床の順に掃除することで、ホコリや汚れの再付着を防げます。
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部屋の奥から玄関方向へ向かって進むことで、汚れを再び持ち込む心配がありません。
具体的な手順例(リビングの場合)
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照明・エアコンのフィルター掃除
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壁・窓・網戸の拭き掃除とサッシ清掃
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家具・家電の上や裏のホコリ取り
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床の掃除機がけ → 水拭き → 乾拭き
この流れを部屋ごとに順番に行うことで、重複作業を避けつつ、すっきりとした空間に仕上がります。
掃除の際に気を付けるべき汚れの種類
汚れにはそれぞれの「性質」があり、間違った方法で対処すると、汚れが落ちにくいどころか、素材を傷めてしまうこともあります。
汚れ別の注意点と対処法
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水アカ(白く固まった汚れ)
→ クエン酸や酢水を使って溶かすように落とす。しばらく浸けてからこすると効果的。 -
油汚れ(ベタつきのある汚れ)
→ 重曹をふりかけて少し時間を置き、スポンジでこする。特にガスコンロ周辺に多い。 -
カビ汚れ(黒ずみ・点状の汚れ)
→ 市販のカビ取り剤を使うか、重曹と酢の合わせ技で対応。浴室・窓のゴムパッキンに多い。 -
ホコリ・チリ(目に見えない粒子)
→ 乾拭きや掃除機だけでは不十分。水拭き+マイクロファイバークロスで仕上げると◎。
汚れを「どこに・どんな種類があるのか」を意識することで、無駄な力や時間をかけず、効率的な掃除が実現します。
予定通りに掃除を進めるためのコツ
掃除のタイムスケジュール作成法
大掃除は、気合いだけでやろうとすると途中で挫折しやすくなります。そこで効果的なのが、事前に掃除のスケジュールを立てておくことです。
たとえば、引越しの2週間前から「部屋別」または「箇所別」に掃除日を割り振り、1日1〜2カ所ずつ進めるスタイルが無理なく続けやすくおすすめです。
スケジュール作成のポイント
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予定表は紙のカレンダー・スマホアプリ・付箋ボードなど、目につく場所に
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「トイレ」「キッチンシンク」「換気扇」「浴室の壁」など、具体的なタスクで分ける
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余裕を持って最終予備日も確保しておく
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「作業時間の目安」もメモすると取り組みやすくなる
チェックリスト形式にして、終わったところに✓を入れると達成感もアップし、モチベーション維持にも効果的です。
掃除作業を分担するアイデア
家族での引越しであれば、全員で掃除を分担するのが効率化の鍵です。一人で黙々とやるよりも、複数人で同時進行したほうが短時間で終わります。
分担の工夫例
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夫:高所(照明・換気扇)、水回りの頑固汚れ
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妻:キッチン・収納棚・玄関
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子ども:拭き掃除・ゴミの分別・雑巾がけ(安全な場所)
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高齢の家族:座り作業(整理整頓や棚の中の拭き掃除など)
子どもにも「玄関のたたきを掃く」「スイッチ周りを拭く」などの簡単で達成感のある作業を任せると、掃除への参加意識が高まり、家族の協力体制がスムーズになります。
また、家族の中で「掃除リーダー」を決めて、当日の進行役にすると全体の動きもまとまりやすくなります。
必要な掃除用品のリスト
大掃除は道具が揃っていないと途中で中断してしまう原因にもなります。以下に、引越し前後の掃除に役立つ基本アイテムを一覧でまとめました。
大掃除の必需品リスト
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✅ 雑巾・マイクロファイバークロス(乾拭き・水拭き用)
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✅ 重曹・クエン酸(ナチュラルクリーニングに)
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✅ 中性洗剤・スプレーボトル(汚れごとに使い分け)
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✅ 掃除機・モップ・フロアワイパー(床掃除全般に)
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✅ 古歯ブラシ・綿棒・ヘラ(すき間や細かい部分に)
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✅ バケツ・雑巾絞り器(拭き掃除効率アップ)
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✅ ゴム手袋・マスク(肌荒れ・吸引対策に)
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✅ ゴミ袋(不要品や掃除ゴミの分別用)
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✅ 脚立・踏み台(高所の照明や棚上掃除に)
これらをあらかじめボックスにまとめておくと、部屋ごとの移動もラクで、作業の中断が減ります。道具の「準備→使用→片付け」までを1つのセットにすると、掃除後の整理整頓もスムーズです。
大掃除後の不具合の対策
残った汚れの除去方法
丁寧に掃除をしても、「どうしても落ちない汚れ」が残ることはあります。そうした汚れに対しては、無理にこすらず、汚れの種類に応じた方法で対処するのが基本です。
よくある「落ちにくい汚れ」と対処法
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シンクや浴室の水アカ・ウロコ汚れ
→ クエン酸水をスプレーして10〜15分放置→スポンジでこすって除去。
ひどい場合は「ウロコ取り専用クリーナー」も効果的です。 -
換気扇やレンジフードの油汚れ
→ 重曹をお湯に溶かした洗浄液に部品を漬け置き(30分程度)→ブラシで落とす。 -
床や壁のしみ・黒ずみ
→ メラミンスポンジや中性洗剤で拭いてみる。取れない場合は無理せず専門業者に相談を。 -
カビの跡(浴室・ゴムパッキンなど)
→ カビ取り剤を使用し、根まで浸透させる必要あり。黒カビが広がっている場合は、再発防止も含めてプロの防カビ施工を検討。
無理に落とそうとすると…
素材を傷めてしまい、逆に補修費用が高くつくこともあります。判断に迷う汚れは写真を撮って、管理会社やクリーニング業者に相談するのが安心です。
新居でのトラブルを避けるためのポイント
引越し後の大掃除は、単にきれいにするだけでなく、住まいの安全チェックの絶好のチャンスでもあります。家具を設置する前に、以下の点を忘れずに確認しておきましょう。
掃除ついでに行いたいチェック項目
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✅ 水回り(キッチン・浴室・洗面所)の水漏れ有無
→ 蛇口や排水口からのポタポタ音、床の湿りなどに注意。 -
✅ ブレーカーの位置と操作確認
→ 停電時に慌てないよう、どこにあるか・どう操作するか把握しておく。 -
✅ 火災報知器の作動確認
→ 点検ボタンで作動するか確認。電池切れがあれば早めに交換を。 -
✅ 換気扇・エアコンの動作確認
→ 異音や風が出ないなどの不具合がないか掃除ついでにチェック。 -
✅ 窓の鍵(クレセント)の動作確認と戸締りの可否
→ きちんと閉まらない窓は防犯・防寒面で問題あり。早めに対処を。
その他の安心ポイント
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ガスコンロ設置後は、ガス漏れ警報機の設置や火の元の点検も重要です。
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小さな段差や滑りやすい床は、滑り止めマットの設置や養生テープで補強することで安全性が高まります。
掃除をしながら「異常がないか」もあわせて確認することで、引越し後のトラブルや生活の不便を未然に防ぐことができます。
プロに依頼する判断基準
自分で掃除するリスクとメリット
引越しの際の大掃除は、自分で対応するか、プロに任せるかで悩む人も多いポイントです。それぞれにメリットとデメリットがあるため、状況に応じた判断が大切です。
自分で掃除するメリット
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コストを抑えられる(必要なのは道具代と時間のみ)
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掃除の手順や仕上がりに自分のこだわりを反映できる
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掃除しながら家の構造や不具合を把握できる
自分で掃除するリスク・デメリット
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慣れていないと時間がかかり、他の引越し準備に支障が出る
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頑固な汚れが落ちず、結局業者に依頼する二度手間になる
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中途半端な仕上がりになり、退去時に敷金が減額されるリスクがある
忙しい時期や、広い部屋・汚れがひどい場合には、無理せず業者の活用を検討するのが得策です。「時は金なり」という視点も忘れずに持っておきましょう。
ハウスクリーニングの費用とサービス内容
ハウスクリーニング業者に依頼する場合、料金とサービス内容の相場を知っておくと安心です。以下は一般的な目安です(地域や業者により変動あり)。
料金の相場(引越し前後のクリーニング)
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1R~1K:15,000~25,000円程度
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1LDK~2LDK:25,000~45,000円程度
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3LDK以上:45,000円〜60,000円以上になることも
※価格には「水回り(キッチン・トイレ・浴室・洗面所)」「窓・床」「換気扇」「玄関周り」などの清掃が含まれるのが一般的です。
部分クリーニングも選択可能
「キッチンだけ」「浴室だけ」「エアコンだけ」など、必要な箇所だけを依頼する部分清掃も可能です。
例:
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キッチンのみ:8,000~12,000円
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浴室のみ:10,000~15,000円
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エアコンクリーニング:8,000~13,000円(内部洗浄あり)
このように、予算や必要度に応じて柔軟に依頼できるのがプロの強み。特に「敷金を少しでも多く返してもらいたい」「完璧な状態で引渡したい」場合には、投資として十分価値があります。
業者選びで失敗しないためのポイント
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見積もりは2~3社比較して、価格とサービス内容を確認
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口コミや実績がある業者を選ぶ(レビューサイトやSNSも参考に)
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「退去清掃に強い」「引越し前後に特化」など目的に合った専門業者を探す
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追加費用の有無(汚れの程度による加算など)を事前に確認
「安さ」だけでなく、「対応の丁寧さ」「保証の有無」「作業報告の有無」など、総合的に判断することが重要です。
引越し後の快適な生活のために
掃除後のメンテナンスの重要性
引越し後、部屋がきれいな状態のうちに「掃除習慣」を整えておくと、その快適さを長く保つことができます。
新居という“真っさらな状態”は、まさに生活スタイルを整えるチャンス。毎日のちょっとしたお手入れが、カビ・汚れ・老朽化の予防につながります。
具体的なメンテナンス習慣の例
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キッチンや浴室は「使ったその日のうちに簡単掃除」
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月に1回「排水口・換気扇・フィルター」のチェックを習慣に
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季節ごとの大掃除スケジュールを立てる(春・秋など)
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掃除用具は取り出しやすい場所に常備しておくと継続しやすい
また、家族で暮らす場合は「曜日担当制」や「月末リセットデー」など、無理のないルールを入居時に決めておくことで、自然にメンテナンスが習慣化します。
新生活をスタートするための準備
掃除が終わったあとは、いよいよ“自分らしい暮らし”をつくる時間。ただ片付けるだけでなく、気分が上がる空間づくりを意識することで、住まいに対する愛着が深まります。
スムーズなスタートのためのポイント
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カーテンの設置:遮光・採光・断熱性など、部屋に合った機能を選ぶ
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家電の配置:コンセントの位置や生活動線を意識して設置
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家具のレイアウト:最初に配置を決めておくと掃除がしやすくなる
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収納のルール決め:モノの定位置を決めておけば散らかりにくい
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観葉植物やお気に入りの雑貨で心地よさと彩りをプラス
さらに、「引越し完了記念」として、最初の週に部屋の全体写真を撮っておくのもおすすめです。数カ月後に見返すことで、生活の変化や改善点を客観的に確認できます。
新生活のスタートは、環境と心の整え直しのタイミング。掃除という“土台づくり”ができていれば、その上に安心で快適な毎日が築けます。
無理なく、自分らしい暮らしを楽しめるよう、一歩ずつ整えていきましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 引越し前に掃除しないとどうなる?
A. 引越し前の掃除を怠ると、敷金の一部または全額が返ってこない可能性があります。
不動産管理会社や大家が退去後の室内をチェックする際に、明らかな汚れやにおい、カビなどが残っていると、「原状回復費用」として別途清掃代や修繕費を請求されることがあります。
特に汚れが目立つのが、水回り(キッチン・浴室・トイレ)や換気扇、窓サッシ、床など。自分で落とせる汚れは、なるべく引渡し前に掃除しておくことがトラブル防止のポイントです。
敷金を少しでも多く返してもらいたいなら、最低限の掃除は必ずしておきましょう。
Q. 掃除が間に合わないときの対策は?
A. 引越し作業に追われて掃除の時間が足りない場合は、優先順位をつけて「見られやすい場所」から掃除するのが基本です。
たとえば、
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キッチンシンクやガス台(油汚れ)
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浴室・トイレのカビや水アカ
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床や壁の目立つ汚れ・シミ
それでも間に合わない場合は、ハウスクリーニング業者にスポットで依頼するのが現実的な選択肢です。
「水回りセット」「部分清掃」「1時間単位のパックプラン」など、時間や予算に応じたサービスも豊富にあります。
また、あらかじめ管理会社に「掃除が一部しかできていない」ことを伝えておくと、印象も良くなりトラブルを防ぎやすくなります。
Q. 退去時の掃除で重要な細かいポイントは?
A. 引越し直前の掃除では、普段見落としがちな“細かい汚れ”が特にチェック対象になりやすいです。以下のような箇所は重点的に確認しておきましょう。
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✅ 排水口:ぬめり・髪の毛・ゴミが溜まっていないか。消臭剤の活用も◎
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✅ 換気扇・レンジフード:フィルターや内部の油汚れ。簡単に掃除できるアイテムもあり
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✅ 壁の手垢・黒ずみ:特にスイッチ周辺や子どもの手が届く高さは要チェック
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✅ 窓サッシ・網戸:泥やホコリが溜まりがち。水拭き+乾拭きで清潔に
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✅ クローゼット・収納内:ホコリや前の住人のニオイが残っていることも
「見えにくいけれど、見られやすい場所」にこそ注意が必要です。
短時間でも丁寧に対応するだけで、管理会社の印象が大きく変わることもあるので、最後のひと手間を惜しまないようにしましょう。
Q. 敷金を全額返してもらうにはどうすればいい?
A. 敷金の全額返還を目指すには、「原状回復義務の範囲内で丁寧な掃除と管理をしていた」ことを証明できる状態で退去することが理想です。
具体的には以下の対応が有効です。
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退去前に写真を撮って記録を残す
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壁・床・水回りの汚れを可能な限り除去
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においやカビなどの目立つ劣化がない状態にする
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必要であればハウスクリーニングを活用
また、契約書に記載された「敷金精算の条件」や「原状回復の範囲」を事前に読み直し、不明点は管理会社に確認しておくと安心です。
Q. プロに掃除を依頼するか迷ったらどう判断すべき?
A. 迷ったときは、「時間」「汚れの程度」「仕上がりへのこだわり」の3つの観点から判断するのがポイントです。
自力で掃除したほうがいい場合
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時間に余裕があり、ある程度の汚れは自分で落とせそう
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部分的にきれいにして敷金を少しでも多く返してもらいたい
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家族やパートナーと分担できる
プロに任せた方が安心な場合
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忙しくて掃除の時間が確保できない
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換気扇や水アカなど、落としづらい汚れが広範囲にある
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次に住む人や大家への印象を良くしておきたい
料金は部屋の広さや清掃範囲によって異なりますが、部分依頼(浴室のみ・キッチンのみ)でも対応可能なので、状況に合わせて検討しましょう。
まとめ|引越し前後の大掃除を計画的に進めよう
引越しは新たな生活のスタート。だからこそ、退去前の掃除はトラブル回避、新居での掃除は快適な暮らしの第一歩として重要です。
本記事でご紹介した大掃除のポイントや手順を実践すれば、余計な費用や手間を減らし、安心して引越しに臨めます。
道具の準備や掃除の順番をあらかじめ決めておくことで、効率的に進めることができます。忙しい時期だからこそ、無理のないスケジュールを立てて、丁寧な掃除を心がけましょう。
計画的に進めることで、気持ちよく新生活をスタートできます。