引越しで困ったことは?子育て家庭が直面したトラブルと解決法

引越し・一人暮らし

「引越しって、こんなに大変だったっけ?」
そんなふうに思ったのは、子どもがいる状態での引越しが初めてだったからかもしれません。
独身のときや夫婦2人の頃とは、まったく違う“大仕事”。準備も当日も、そのあとも、予想外の困りごとに直面する連続でした。

この記事では、実際に私が経験して「これは困った…」と思ったことをランキング形式で紹介しながら、それぞれにどう対処したか、何をしておけばよかったのかをまとめました。これから引越しを予定している方や、引越し後に「あれ?」と思っている方にとって、少しでもお役に立てたらうれしいです。

第1位:荷造りが終わらない!想像以上のモノの多さ

家族全員分は想像以上に多い

「まだこんなにあるの?!」と何度つぶやいたか分かりません。
引越し準備を始めてすぐに直面したのが、家族それぞれの持ち物の“多さ”と“細かさ”でした。

とくに困ったのは、子ども関係のモノ。おもちゃひとつとっても、小さなフィギュアやパズルのピース、ぬいぐるみ、紙類…どれもバラバラで、箱に詰めようとしてもまとまらない。洋服もシーズンごとに分かれていて、保育園・外遊び・お出かけ用などジャンルが多岐にわたります。

さらに、育児グッズは場所を取るものが多い!ベビーカー、補助便座、抱っこひも…どれも大きくて、段ボールに入らないサイズ。こうした大型アイテムも手こずる要因でした。

また、普段は押し入れや収納棚にしまってあって見えないだけで、実は「まだ使える」「とっておきたい」で残していたモノが大量にあることにも気づかされました。感情的に手放しづらい子どもの作品や記念品も多く、「時間だけが過ぎていく」あの焦燥感は、今でも忘れられません。

対策:3週間前から「捨てる・残す・梱包済み」を可視化

私がやってよかったと感じたのは、“見える化”して少しずつ判断・行動する工夫でした。
まず、「荷造りは一気にやるもの」という思い込みをやめて、引越しの約3週間前から“モノと向き合う”時間を少しずつ取るようにしました。

準備段階で取り入れたのが、ふせんによる仕分け管理です。
大きめのふせんに「捨てる」「残す」「梱包済み」と書いて、それぞれの棚や引き出しに貼っていきました。
たとえば、

  • 使っていないけどなんとなくとってある →「捨てる」

  • 引越し先でも使う →「残す」

  • 段ボールに入れ終えた →「梱包済み」

この方法にしたことで、どこまで進んでいるかが家族全員に共有できるようになり、私だけが抱え込まなくて済んだのが大きな変化でした。
子どもにも「これは新しいおうちに持っていく?それともバイバイする?」と聞きながら作業すると、意外にも納得してくれることも多く、親子での「断捨離タイム」になりました。

また、「迷うものは保留」の箱を1つ作っておくのもおすすめです。引越し当日までに気持ちが決まらなかったものはそのまま詰め、落ち着いたあとに再判断。こうすることで、決断のストレスが減り、作業効率も上がりました

第2位:子どもが落ち着かない!環境の変化に不安続出

「なんで家がこんなに変わるの?」という不安

引越し当日、私たち親は「よし、新生活スタートだ!」と前向きな気持ちだったのに対し、娘はまったく違う反応を見せました。
いつも通りに朝ごはんを食べ、少しお出かけでもするような感覚で家を出たのに、戻る先は知らない場所。引越し先の新居に着いたとたん、落ち着きがなくなり、何かにつけてグズグズが始まったんです。

私も夫も段ボールの荷ほどきに必死で、「あとで遊ぼうね」「ちょっと待ってね」が続き、娘にとっては居場所がなくなったような感覚だったのかもしれません。
夜になってもなかなか寝つけず、「おうち、かえりたい」と泣きじゃくる姿に、胸が締めつけられました。

当時は「なんでこんなに機嫌が悪いの?」と戸惑っていたけれど、今振り返ると、それは当然のことだったなと実感します。
子どもにとって「家」は安心そのものであり、それが急に変わることは、私たちが思う以上のストレスだったんだと気づきました。

対策:いつもの毛布と絵本を手荷物に

そんな娘の不安を少しでも和らげるために、私が効果を感じたのが、「いつものものを持ち歩く」ことでした。
ぬいぐるみやお昼寝に使っていた毛布、寝る前に読んでいた絵本など、日常の中にある“安心グッズ”を段ボールには入れず、最後まで手荷物で持っておいたんです。

新居に到着してすぐ、その毛布を広げて床に座らせてみると、少しホッとした表情を見せてくれました。
読み慣れた絵本を読んであげながら、「ここが新しいおうちだよ」「一緒に楽しく過ごそうね」と声をかけることで、娘の中でも「ここも大丈夫なんだ」と少しずつ気持ちが整っていったようです。

さらに、引越しの前には「おうちがかわるんだよ」という内容の絵本を何冊か読んでおきました。
引越しをテーマにした絵本は、子どもにとって「変化」を事前にイメージする良いきっかけになります。
「おうちがかわっても、家族は一緒だよ」と伝えられる構成のものを選ぶと、理解が深まりやすくなります。

また、新居に着いてからは、なるべく子ども優先で「おもちゃの段ボールから先に開ける」「お気に入りのスペースを先に作る」ことを心がけました。
大人の都合で後回しにされることが多い“子ども時間”を少しでも取り戻すことで、安心感を育てながら新生活にスムーズに馴染んでいける土台ができたと感じています。

第3位:役所・学校・ライフライン…手続きが多すぎる!

同時進行できないものが意外と多い

引越し後の一番の落とし穴だったのが、「こんなにやることあったっけ?」というくらいの手続きラッシュでした。
しかもその多くが、順番通りに進めないとできないというのが曲者なんです。

たとえば、子どもの転校手続きをするには「新住所の住民票」が必要。でもその住民票をもらうには、まず転入届の提出が必要で、それには転出証明書が…といった具合で、ひとつひとつが連動していて、1日にすべて終わらせるのはほぼ不可能でした。

しかも役所は平日しか空いていない。
仕事の都合をつける必要があり、学校とのやりとりも並行して進めなければならない。
その間にもライフライン(電気・ガス・水道・ネット)の開始連絡や、郵便物の転送、保険や銀行の住所変更などが次々と押し寄せてきます。

さらに、子どもがいると自分の時間も取りづらく、作業に集中しようとすると「ママ、これやって〜」「今日のごはん何?」の連続。
やらなきゃいけないのに、思うように進まずイライラしてしまい、「なにから手をつけたらいいの?」と途方に暮れる瞬間もありました。

対策:チェックリストと手続きタイムラインの作成

この混乱を乗り切るために役立ったのが、「全部を見える化する」作業でした。
まずは紙でもExcelでもいいので、「どんな手続きが必要か」をすべて書き出すことからスタート。私の場合は、こんな感じの項目を挙げました。

  • 転出届(旧住所の市役所)

  • 転入届(新住所の市役所)

  • 子どもの転校手続き(旧学校・新学校)

  • 住民票の取得(転入届のあと)

  • ライフライン(電気・ガス・水道・ネット)

  • 郵便転送の申請

  • 子どもの保険証や医療証の切り替え

  • マイナンバーや銀行、クレジットの住所変更 など

これを元に、「誰が(私or夫)」「いつ(平日or土日)」「どこで」「何を」やるかを一目でわかる表にまとめました。
とくに重要なのは、“この手続きはこの手続きが終わってから”という前提条件を見落とさないこと
あとから「しまった、先にこっちだった!」と二度手間になるのを防ぐには、時系列の流れにしておくのが有効です。

私たちは「引越しの前にやること」「当日やること」「引越し後1週間以内にやること」といった3段階に分けてリスト化し、冷蔵庫に貼って見えるようにしておきました。
夫婦で役割分担をしたことで、「どこまで終わったか」の共有もしやすく、私ひとりが全部を背負わなくてよくなったのも大きなポイントです。

また、自治体によって必要書類が異なることもあるので、事前に役所のサイトで確認しておくと安心です。
平日休みが取りにくい家庭は、「出張所で済むか?」「代理人申請は可能か?」なども調べておくと、ムダな外出を減らせます。

第4位:段ボールだらけで生活が回らない!

必需品がすぐ出せないストレス

「もう、なんで出てこないの!」
引越し初日の夜、私は半泣きで段ボールをひっくり返していました。
何がどこにあるのか分からない。子どもは眠くてぐずるし、私も疲れきっていてイライラ。
生活のペースが完全に乱れて、「家にいるのに落ち着けない」状態でした。

特に困ったのは、日常的に使う“あたりまえ”の物がすぐに見つからなかったことです。
たとえば、夜のおむつ替えのときに「あれ、どこ??」と焦ったり、夕飯の準備をしようとして調味料やフライパンが行方不明だったり…。
娘のパジャマやお気に入りのコップもどの箱に入れたか分からず、「あれじゃなきゃイヤ!」のスイッチが入ってしまい、家族全員ぐったり。

引越しの荷解きって、ただ物を出せばいいわけじゃないんですよね。
「最低限の暮らしを早く取り戻す」ことが大切で、そこが整っていないと、気持ち的にもどんどん疲弊してしまいます。

対策:暮らしの「初日セット」を1箱に

このとき、「やっておけばよかった!」と痛感したのが、“初日に使うものだけをまとめた段ボール”の準備です。
私は途中から慌ててまとめましたが、最初からこれを意識していたら、どれだけラクだったか…。

具体的には、次のようなものを「暮らしの初日セット」として1箱にまとめておくのがベストでした。

  • 家族全員の着替え(1日分)

  • タオルとバスタオル

  • 歯ブラシ・洗顔・ティッシュなどの洗面用具

  • 子どものおむつ、おしりふき、哺乳瓶

  • 軽く食事ができるキッチン用品(フライパン、包丁、ラップ、調味料など)

  • スマホ充電器や延長コード

  • 常備薬や体温計

  • 夜に読む絵本やお気に入りのおもちゃ

このセットを“最優先”として赤いマジックで大きく段ボールに書いておくと、すぐに見つけられて焦らずに済みます
我が家ではこの箱を「生活再開ボックス」と名付け、引越し先の玄関やリビングの手前に必ず置くようにしました。

また、冷蔵庫がまだ動かせていない場合に備えて、レトルトやカップ麺、おにぎりなどの“非常食”も一緒に用意しておくと安心です。
引越し当日はスーパーに寄る余裕もなかったので、家の中に「食べられるものがある」だけで、心がずいぶん落ち着いたのを覚えています。

最初の24時間をどう乗り切るかで、引越しの印象は大きく変わるんだな…と痛感した出来事でした。

第5位:近所づきあいとゴミ出しルールがわからない!

ゴミ出し、回覧板、子どもの遊び場…

引越しが終わってホッとしたのも束の間、じわじわと困ったのが「地域のルールが見えないこと」でした。
とくに最初につまずいたのが、ごみ出しのルールの複雑さです。

旧居では「燃えるごみは週2回、透明袋に」と決まっていたのに、新しい地域では「半透明可」「曜日が違う」「プラマーク付きは別」など細かい決まりがたくさん。
しかも、ごみステーションに張り紙はあるけれど、正直わかりづらい…。
「これって今日出していい?」「この袋で大丈夫?」と、出すたびに不安になる日々が続きました。

また、子どもが外で遊ぼうとしても「どこで遊べる?」「近所の子って何時ごろ出てくるの?」というのが全然わからず、うちの子も入りづらそうにしていて心配に。
ちょっとした近所づきあいや、回覧板の仕組みなど、暮らしに必要な“地域の暗黙ルール”が何も見えないのって、意外とストレスになるんですよね。

対策:子どもと一緒に「探検」がてらごあいさつ

そんな中でやってよかったのが、「よし、探検しよう!」という軽いノリで、子どもと一緒に近所を歩きながら、情報収集とあいさつを兼ねたご近所巡りでした。
ただ“あいさつ回り”と構えると緊張するけれど、「お散歩がてら新しい町を見てまわろう」と思うと、私も気がラクに。

うちの子は探検気分でウキウキしていて、「あっち行ってみよう」「こっちに公園あるかな?」と案内役のように歩き回ってくれました。
そこで出会ったご近所の方に、自然に「引っ越してきたばかりで、ゴミの出し方など教えてもらえたらうれしいです」と話しかけたところ、とても親切に教えていただけて、地域の雰囲気もぐっと身近に感じられるようになりました。

また、町内会やマンションの掲示板にも目を通すようにしたら、ゴミの詳細ルールや回覧板の順番、子ども会の情報まで、意外といろんなことが分かるように。
掲示板って今まであまり気にしていなかったけれど、「地域の小さな情報の宝庫」なんだなと実感しました。

それからは、子どもが公園に行きたいと言ったときも「この時間なら誰かいるかも」と予測できたり、同じ幼稚園のママと立ち話できるようになったりと、暮らしに温度が出てきた感じがします。

引越し後の生活って、インフラや家具だけじゃなくて、地域との関わりを“整えること”もすごく大事なんですよね。
それに気づけたことが、何よりの収穫だったと思っています。

まとめ|引越しの“困った”は「備え」で減らせる

引越しって、どうしてもバタバタするもの。
でも、実際に私が経験して感じたのは、「困りごとの多くは事前の準備でかなり減らせる」ということでした。

荷造りの進め方や、子どもへの声かけ、手続きの流れ、生活再開のポイントなど、ひとつひとつを意識しておくだけで、引越し後の負担もグッと軽くなります。

これから引越しを控えている方は、どうか焦らず、家族のペースに合わせて準備を進めてくださいね。
そして、もし何か困ったことがあったら、「あ、あの記事で言ってたな」と思い出してもらえたらうれしいです。

タイトルとURLをコピーしました