引越しって、思っている以上にバタバタしますよね。
荷造り、手続き、掃除、当日の立ち会い…。ひとつずつは大したことなくても、全部が重なると想像以上に大変。特に子どもがいる家庭では、自分の作業だけでなく、子どもの面倒を見ながら動く必要があるので、時間も体力も足りなくなりがちです。
私自身、最初は「なんとかなるかな」と軽く考えていましたが、実際はてんやわんや。そこで大事だと感じたのが、家族での役割分担でした。この記事では、わが家の引越し体験をもとに、準備から当日までスムーズに進めるためのコツや、家族みんなが協力する工夫を紹介します。
うちの引越しは“てんやわんや”から始まった
最初は「私が全部やらなきゃ」と思っていた
わが家は、夫と小学生の娘、そして私の3人暮らし。
夫の転勤がきっかけで、急きょ引越しが決まったのですが、正直その時は「まあ何とかなるでしょ」と軽く考えていました。
「引越しって、段取りさえしっかりすれば大丈夫」と思い込んでいた私は、すべてを自分ひとりで進めようとしてしまったんです。
最初の数日は、段ボールを集めたり、業者を手配したりと、やるべきことをメモにまとめながら順調にこなしていました。
でも、気づけば部屋中が箱の山に囲まれ、どこから手をつけていいか分からない状態に。
そんな中、娘からは「ママ、この服まだ着る?」「ママ、ぬいぐるみどこ行ったの?」と質問攻め。
夫からも「夕飯どうする?」なんて聞かれて、ついイライラしてしまいました。
「なんで私ばっかり…全部ひとりでやってるのに…」
そんなモヤモヤが爆発しかけたとき、ふと夫が言ったんです。
「ねえ、それ俺でもできるよ?言ってくれたら手伝うのに」
その言葉にハッとしました。
「家族で暮らしてるのに、どうして私ひとりで背負い込んでたんだろう」って。
自分で“引越しリーダー”を名乗っていたつもりが、ただ抱え込んで疲弊していただけだったんですよね。
引越し準備は「家族会議」から始めよう
まずは全体像を共有する
それからというもの、わが家の引越し作戦は“個人戦”から“チーム戦”に切り替わりました。
その第一歩が「家族会議」です。
「引越しまでにやらなきゃいけないこと、全部書き出してみよう」
夫の提案で、リビングの壁に100円ショップで買ったホワイトボードを貼り出し、付箋をペタペタと貼っていきました。
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荷造りのスケジュールはどうする?
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どの部屋から始める?
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粗大ごみはいつ出せる?
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転校手続きや保育園の連絡は誰がやる?
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ネットの解約と開通は?
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郵便の転送手続きは?
書き出してみると「これは私」「これは夫」「これは家族でやること」と、自然に“やるべきこと”と“やる人”が見えてきて、驚くほど気持ちがラクになりました。
可視化って、こんなに心の負担を減らしてくれるんだ…と実感。
私が“全体を把握しておく係”、夫が“体力仕事とスケジュール調整係”、娘が“自分の荷物整理係”と、自然な流れで役割分担も決まっていきました。
子どもにも役割を与えるとやる気に
正直、最初は「子どもには邪魔されそう…」と思っていました。
でも、やらせてみたら大違い。娘は予想以上に“戦力”だったんです。
まずは「ぬいぐるみを箱に詰める」「本をまとめる」など、わかりやすい作業をお願いしました。
すると、段ボールを自分の部屋に持ち込みながら、「これは旅に出るぬいぐるみだね」「この本は新しい家で読みたいから大事にしまうね」と、ちょっとした冒険気分で楽しそうに進めてくれました。
私が「ありがとう!すごく助かる!」と声をかけると、娘は照れ笑いを浮かべながら「じゃあ、次は何やればいい?」と前のめり。
手伝いというより、“参加してる”という感覚がうれしかったようです。
子どもだからといって蚊帳の外にせず、小さくても自分の役目があると感じさせることが、やる気につながるんだと気づきました。
大人も子どもも、「任されたことをやり遂げる喜び」って同じなんだな、と改めて感じた経験です。
わが家の役割分担のコツ
1. 荷造りは“エリア制”で効率アップ
引越し準備って、とにかく「どこから手をつけるか」が悩みどころなんですよね。
わが家はまず、「エリアごとに担当を決めよう」と話し合いました。
私がリビングと洗面所、夫がキッチンと玄関まわり、娘は子ども部屋の荷物を一緒に仕分ける形に。
これが意外と正解で、それぞれが自分のエリアに集中できるから、思った以上に作業がはかどりました。
特にキッチンは、夫が担当してくれて本当に助かりました。
いつのまにか溜まっていたプラスチック容器や調味料のストックを見て、
「これ賞味期限切れてるよ」「使ってないタッパー、捨てていい?」と聞いてくれて、私も“いる・いらない”の判断がしやすかったです。
引越し準備ってゴールが見えづらいけど、「今日はこの部屋を終わらせた!」という小さな達成感がモチベーションにつながるんですよね。
2. 当日は“動く人”と“指示する人”を明確に
引越し当日は想像以上に慌ただしいもの。
荷物を運ぶだけでなく、業者さんへの対応やガス・電気の開栓立ち会い、近所へのごあいさつなど、同時進行でこなすことがたくさんあります。
わが家では、前日の夜に「役割の最終確認」をしておきました。
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私:家の中で業者への指示、荷物のチェック、娘のケア
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夫:玄関で荷物の搬出対応、運び忘れチェック、トラックの立ち会い
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娘:安全な場所で待機、必要に応じて小物を運ぶ手伝い
「私が全部を仕切る」よりも、「信頼して任せる」方がうまくいくと実感。
夫に「今日は運び屋リーダー、よろしくね」と伝えると、なんだか張り切って動いてくれました(笑)
電気・ガスの立ち会いも、意外と時間がかかるもの。
誰がどの時間帯に家に残って対応するか、あらかじめ決めておくとスムーズです。
3. 子どもが退屈しない工夫も大切
大人は引越し作業に追われているけど、子どもにとっては「何やってるの?ヒマ〜」な一日。
手持ち無沙汰な時間が続くとグズグズしやすくなって、こちらもピリピリしてしまいますよね。
そんなとき、わが家でやってみて効果的だったのが“引越し探検ごっこ”。
段ボールに小さなお菓子をいくつか隠しておいて、「このへんに何かあるかもよ?」と声をかけたら、娘は夢中で探していました。
また、マスキングテープを使って「子ども専用の作業スペース」を作ってあげたところ、そこにお気に入りのぬいぐるみを並べたり、自分の荷物を丁寧に並べたりと、楽しそうにしてくれました。
「自分も引越しに参加してる」って感覚があると、子どもって意外と前向きになってくれるんですよね。
親が忙しくても、ちょっとした工夫で“退屈のスイッチ”を切り替えられると、本当に助かります。
役割分担にありがちな失敗と対策
「頼んだのにやってくれてない…」のモヤモヤ
これは、引越しあるあるかもしれません。
「これ捨てておいてって言ったのに、まだある!」「この箱、運び出してくれてないじゃん…」という小さな不満が積もっていくと、ついイライラしてしまいますよね。
わが家ではその“モヤモヤ”を減らすために、メモ付きのシールを活用しました。
100円ショップで買った丸いシールに、「この箱は●日までに捨てる」「これは引越し先で1階用」などを書いて貼っておくだけ。
言葉で伝えるよりも、視覚的に「これがやるべきこと」と伝わるので、夫ともすれ違いが減りました。
「この作業終わったよ〜」と写真付きで共有するだけでも、お互いの“やった感”が見えるので、信頼感が生まれました。
「やりすぎて疲れた」問題にも注意
引越しの準備を進めていると、「もっとやらなきゃ」「今日中に終わらせなきゃ」と焦ってしまいがち。
特に私は“やりすぎるタイプ”なので、最初の頃は夜まで作業してしまい、翌朝グッタリしていました。
でも、夫からの一言で救われたんです。
「それ、明日でもいいんじゃない?無理しなくて大丈夫だよ」
その言葉で、張り詰めていた気持ちがすーっとゆるみました。
「引越しって、長いスパンで進めるもの。疲れすぎないようにするのも仕事のうちなんだ」と思えるようになりました。
今では、1日の終わりに「今日はここまで」と線を引くようにしています。
お風呂にゆっくり入ったり、引越し後の新生活のことを話したり、そういう時間も家族の絆を深めるうえで大切なんだと実感しています。
やってよかった“引越し準備リスト”と便利グッズ
見える化がカギ!引越しスケジュール表
「何から手をつける?」「今どこまで終わってる?」
引越し準備でよくあるのが、家族の間で“進捗の見えなさ”による混乱です。
最初はスマホのToDoアプリを使ってみたんですが、家族それぞれがバラバラに管理しているせいで、結局誰も全体像が把握できていない状態に…。
そこでわが家がやってみたのが、“冷蔵庫に貼るスケジュール表”でした。
A3サイズの紙に「今週やること」「来週やること」と大きく書いて、やるべきことを付箋でぺたぺた。
終わったら剥がしていくスタイルにしたところ、娘も「これ終わったよね?」と興味を持ってくれるようになりました。
家族全員が見える場所にあるって、意外と大事なんですよね。
「次に何をすればいいか」が自然と共有できて、無駄な確認や指示が減りました。
さらに、「終わった付箋を紙袋に集めておく」というルールにしたら、
引越し後に「こんなにやったんだね!」と達成感も味わえました。地味におすすめです。
色分けガムテープ&マスキングテープ
引越しって、荷物を“運ぶ”よりも“片づける”ほうが実は大変だったりします。
新居に着いてから、「この箱どこの部屋?」「これはすぐ開けるやつ?」と迷うのって、地味だけどストレスなんですよね。
そこで活躍したのが、色分けしたガムテープとマスキングテープ。
ネットでセットを購入して、以下のルールを決めました。
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赤=キッチン
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青=寝室
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黄=リビング
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緑=子ども部屋
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白=すぐ開ける重要な荷物
この色ルールをホワイトボードにも書いておいて、家族全員がわかるようにしました。
箱にも「緑のテープ=娘の部屋」「赤のテープ=ママのキッチン」などと簡単に説明をつけておくと、新居でも迷うことなくどんどん運べます。
特に娘はこの色分けが楽しかったようで、
「これは緑の部屋!」「マスキングテープ貼ってもいい?」とノリノリで参加してくれました。
まるで“引越しすごろく”みたいで、遊び感覚でお手伝いができたのも嬉しいポイントでした。
引越しをチームプレイにしたら、家族の絆が深まった
正直、最初は「引越しなんてただの作業」と思っていました。
慌ただしくて、疲れて、ストレスも溜まって…
そんな中でも一つずつこなしていくうちに、ふと気づいたことがあります。
「あれ?なんか、みんなで頑張ってる時間って、ちょっといいかも」って。
荷造り中、娘が「この箱に“新しい家で読む本”って書いておくね」と言ってきたとき。
夫が、「ここは俺がやるから、ちょっと座って休んでて」と言ってくれたとき。
小さな場面の積み重ねが、いつの間にか“いい思い出”になっていったんです。
引越しが終わった数日後、娘がふとこんなことを言いました。
「この前の引越し、けっこう楽しかったね!」
その言葉に、思わず「え?ほんとに?ママはヘトヘトだったけど…」と笑ってしまいました。
でもよく考えてみたら、私もどこかで“いい時間だった”と感じていたのかもしれません。
それまでは「役割分担=効率のためのもの」としか考えていなかったけど、
今では「役割分担=家族で支え合うかたち」だと思っています。
誰かに押しつけるのではなく、一緒に決めて、一緒にやる。
そのプロセスそのものが、家族の絆を強くしてくれたように思います。
まとめ|引越しは「分担」じゃなく「共に動く」ことから始めよう
家族での引越しは、うまくいけばただの作業じゃなく、大切な経験になります。
だからこそ、「全部自分でやらなきゃ」と思い込まず、家族みんなで動くチーム戦に変えることが成功のカギ。
無理なく、でも楽しく。
それぞれの得意や都合に合わせて役割を分けていけば、想像以上にスムーズに進みます。
あなたの引越しも、素敵な家族の時間になりますように。