「法事の招待状って、どう書けばいいの?」
そんな悩みを抱えていませんか?
一周忌や七回忌など、大切な法要だからこそ、失礼のない丁寧な案内をしたいもの。でも形式や文例がわからず、不安に感じる方も多いはずです。
本記事では、初めてでも安心して使える法事招待状の文例やマナー、書き方のポイントをわかりやすく解説します。
親戚や親しい方々に誠意を持ってご案内できるよう、テンプレートや送付時の注意点まで丁寧にご紹介。
このページを読めば、もう迷わずに準備が進められます。
法事招待状の基本知識
法事とは何か?その意義と種類
法事とは、故人を偲び、冥福を祈るために行う仏教の追善供養の一つです。一般的には命日やそれに近い日程に、家族や親戚、関係の深かった方々を招いて供養を行います。
法事には大きく分けて「忌日法要」と「年忌法要」があり、たとえば「初七日」「四十九日」などの忌日法要に続き、「一周忌」「三回忌」「七回忌」「十三回忌」などの年忌法要が続きます。これらは亡くなった年を1回目として数えるため、一周忌は亡くなった翌年、三回忌はその翌年に行われるという数え方になります。
法事は単なる形式的な儀式ではなく、残された家族や親族が集まり、故人の思い出を共有する時間でもあります。そうした意味でも、丁寧に準備を整えることが大切です。
招待状が必要な理由
法事は礼を重んじる場です。そのため、正式な案内状を出すことが基本的なマナーとされています。
とくに遠方の方や日程調整が必要な親族には、招待状を送ることで安心感と誠意を伝えることができます。電話やLINEだけでは必要な情報が漏れてしまったり、誤解を招いたりする可能性もあります。
招待状には、次のような情報を明確に記載します。
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法事の日時
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会場の場所・名称(寺院や自宅など)
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会食の有無と場所
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服装に関する案内(喪服/平服など)
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出欠確認の方法(返信ハガキや連絡先)
これらを丁寧に伝えることで、参列者にとっても心の準備がしやすくなり、スムーズな当日運営にもつながります。
法事の種類による招待状の違い
法事の種類や規模により、招待状の書き方や送る範囲は異なります。たとえば、
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一周忌・三回忌など比較的近い法事は、親族中心の小規模な開催になることが多く、案内も略式や口頭連絡で済ませることもあります。とはいえ、改まった書面で案内するとより丁寧な印象になります。
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七回忌・十三回忌以降の年忌法要になると、親族だけでなく、生前お世話になった方や旧友なども招く場合があります。そのため、文面もより丁寧に整え、正式な招待状を送付するのが一般的です。
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合同法要(兄弟や親戚の命日を合わせて執り行う場合)は、案内文に「〇〇家・△△家 合同法要のご案内」のような表現を用いる必要があります。関係者が複数になるため、招待状の内容もわかりやすく整理しましょう。
それぞれの法事に応じた文面と送付方法を選ぶことで、参列者に対して失礼のないご案内が可能になります。
法事の招待状の書き方
法事の招待状は、フォーマルな文書としての体裁を整えることが大切です。ここでは、基本の構成要素から書き方のポイント、出欠票の準備方法まで、具体的にご紹介します。
一般的な招待状の構成要素
法事の招待状には、以下のような要素を含めるのが基本です。形式を整えることで、受け取った側も安心して読み取れる内容になります。
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頭語・時候の挨拶
例:「拝啓 初夏の候、皆様にはますますご清祥のこととお慶び申し上げます」など、文章の冒頭に季節の挨拶と言葉を添えます。 -
法要の趣旨
「このたび、故〇〇の一周忌法要を下記の通り執り行うこととなりました」など、何のための法事かを簡潔に記載します。 -
日時・会場
日付・時間・会場名・住所を明記し、地図や案内があれば同封するのが親切です。駐車場や送迎の有無も補足すると良いでしょう。 -
会食の有無
会食の予定がある場合は、「法要後、ささやかながら会食の席をご用意しております」と添えましょう。 -
出欠の確認方法
返信ハガキの同封や連絡先を記載し、「〇月〇日までにご返信をお願いいたします」と期日も忘れずに。 -
結語・差出人情報
文末には「敬具」「謹白」などの結語とともに、差出人の名前と連絡先(住所・電話番号)を明記します。
季節に応じた挨拶文の使い方
招待状の印象を決める冒頭の挨拶文は、季節感を取り入れた表現にすることで、より丁寧な印象を与えます。以下は時期別の例です。
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春:陽春の候/桜花の候/春暖の候
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夏:新緑の候/盛夏の候/暑中お見舞い申し上げます
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秋:初秋の候/秋涼の候/晩秋の候
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冬:寒冷の候/年の瀬の候/寒中お見舞い申し上げます
とくに暑中見舞いや寒中見舞いの時期は、通常の頭語を避けて時候の挨拶だけで始めるのが一般的です。
頭語・結語の使い方と例
日本の手紙文化において、頭語と結語の対応関係を守ることはマナーの一部とされています。以下が主な組み合わせです。
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「拝啓」→「敬具」:一般的な丁寧表現
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「謹啓」→「謹言」:より改まった丁重な表現(目上の方や格式を重視する場合)
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「前略」→「草々」:急ぎの場合など略式で使われる
文面全体のトーンに合わせて、堅すぎず柔らかすぎないようにバランスを取ることが大切です。
氏名や住所の記載マナー
招待状の差出人情報は、宛名面だけでなく本文中にも明記するのが基本です。とくに次のような配慮が求められます。
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差出人のフルネームを記載(家族連名の場合は「〇〇家一同」など)
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住所・電話番号・メールアドレスなど、返信手段を明確に
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同封の返信ハガキや封筒にも差出人情報を印刷しておくと、返信先の混乱を防げます
また、高齢の方にも読みやすいように、楷書体ややや大きめのフォントを使用するのが望ましいです。
出欠票の準備と注意点
法事の出欠確認には、返信用ハガキまたは出欠票を同封するのが一般的です。以下の要素を必ず含めましょう。
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出席/欠席の選択欄(チェック形式がわかりやすい)
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氏名記入欄
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同伴者の人数記入欄
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アレルギーや交通手段の確認欄(会食がある場合)
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自由記述欄(伝達事項やメッセージ)
また、返信用封筒やハガキには切手を貼っておくのがマナーです。返信期限も記載し、集計のための目安としましょう。
この章のまとめ:
法事の招待状は、故人の供養とともに、受け取る人への配慮が伝わるものです。丁寧な構成と正しい表現で、思いやりのあるご案内を心がけましょう。
法事招待状の文例集
法事の招待状は、文面からご遺族の誠意が伝わる大切な連絡手段です。ここでは、一周忌や七回忌、家族のみの法要、十三回忌、合同法要といったさまざまなケースに対応した文例を紹介します。ご自身の状況に合わせてご活用ください。
一周忌の招待状文例(親族・友人宛て)
拝啓 晩秋の候、皆様には益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
早いもので、亡き〇〇(続柄・氏名)が永眠してから一年が経とうとしております。
つきましては、一周忌法要を下記の通り執り行いたく、ご案内申し上げます。
ご多忙中とは存じますが、ご参列賜りますようお願い申し上げます。
敬具記
日時:令和〇年〇月〇日(〇)〇時より
場所:〇〇寺(住所)
会食:法要終了後、〇〇(料亭・会館名)にて会食の席をご用意しております。
なお、誠に恐れ入りますが〇月〇日までにご出欠のご連絡をいただければ幸いです。令和〇年〇月〇日
差出人住所・氏名・電話番号
補足: 一周忌は比較的正式な法要のため、丁寧な文面が好まれます。案内状に写真や案内図を同封すると、より親切です。
七回忌法要案内状の文例(親族・恩師宛て)
拝啓 春暖の候、皆様にはお健やかにお過ごしのことと存じます。
さて、故〇〇(氏名)の七回忌にあたり、下記の通り法要を執り行うこととなりました。
略式ではございますが、ささやかながら供養の場として準備いたしました。
ご多用中とは存じますが、ぜひご参列賜りたくお願い申し上げます。
謹白記
日時:令和〇年〇月〇日(〇)〇時より
場所:〇〇寺(住所)
会食:簡単ではございますが、法要後に会食の席を設けております。
ご出欠の有無を〇月〇日までにご一報いただけますと幸いです。令和〇年〇月〇日
差出人住所・氏名・電話番号
補足: 七回忌では、少し略式の文章でも構いませんが、丁寧な言葉遣いは保ちましょう。文末の「謹白」は、「拝啓」との対応を意識しています。
ご家族のみの招待状文例(近親者宛て)
拝啓 残暑の候、皆様にはお変わりなくお過ごしのことと拝察いたします。
このたび、故〇〇の命日を迎えるにあたり、家族および近親者にてささやかな法要を営みたく、ご案内申し上げます。
ご多忙のところ恐縮ではございますが、ご都合がよろしければご参列いただければ幸いです。記
日時:令和〇年〇月〇日(〇)〇時より
場所:〇〇家(または〇〇寺)
※会食は予定しておりませんが、お時間の許す限りご一緒にお過ごしいただければ幸いです。令和〇年〇月〇日
差出人住所・氏名・電話番号
補足: 家族中心の法要では簡潔な文面で構いませんが、「ご一緒に偲んでいただければ幸いです」といった表現で気遣いを伝えましょう。
13回忌案内状の文例(友人・親戚・関係者宛て)
謹啓 晩冬の候、皆様にはご清祥のこととお慶び申し上げます。
おかげさまで、故〇〇(氏名)の十三回忌を迎えることとなりました。
つきましては、下記の通り法要を執り行いたく存じます。
生前お世話になった皆様とともに、心静かに偲びたくご案内申し上げます。記
日時:令和〇年〇月〇日(〇)〇時より
場所:〇〇寺(住所)
会食:法要後、〇〇にて会食をご用意しております。
ご参列いただけます方は、〇月〇日までにご返信いただければ幸いです。令和〇年〇月〇日
差出人住所・氏名・電話番号
補足: 13回忌は節目の法要とされることも多く、案内状も格式を保ちつつ、感謝の気持ちが伝わるよう意識しましょう。
合同法要の招待状例(親戚・関係者宛て)
拝啓 紅葉の美しい季節となりました。
このたび、〇〇家および△△家合同にて、下記の通り法要を執り行う運びとなりました。
日頃ご多忙のところ誠に恐縮ではございますが、ご参列賜りますようお願い申し上げます。記
日時:令和〇年〇月〇日(〇)〇時より
場所:〇〇寺(住所)
会食:法要後、合同での会食を予定しております(〇〇にて)。
ご出欠のご返信は、〇月〇日までにお願い申し上げます。令和〇年〇月〇日
〇〇家代表:氏名/△△家代表:氏名
連絡先:住所・電話番号
補足: 合同法要の場合は、案内文中に複数家の名前をきちんと記載し、混同のないよう明確にすることが重要です。
おしゃれな法事招待状の作成方法
法事の招待状は、シンプルで丁寧な印象が基本ですが、最近では控えめな美しさやセンスを感じさせる「おしゃれな招待状」も選ばれるようになっています。ここでは、招待状全体のデザインから印刷・配布まで、スマートな作成方法をご紹介します。
封筒とハガキの選び方
招待状の印象を決めるのは、デザインと素材感です。法事という厳粛な場にふさわしい、落ち着いた風合いのものを選びましょう。
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封筒の選び方
無地の白封筒が基本ですが、最近では「和紙風」や「生成り色」など、ナチュラルな風合いのものも人気です。シンプルな和柄やうっすら模様が入った封筒も、上品でおしゃれな印象になります。
サイズは通常「長形4号」や「洋形2号」が使われます。中身のサイズに合わせましょう。 -
招待状用紙の選び方
筆文字や墨文字風の印刷にも耐えられる厚手のマット紙や和紙風印刷紙が適しています。手触りの良さや上質感が、丁寧さを感じさせるポイントです。 -
返信ハガキの工夫
返信用のハガキも統一感を持たせましょう。薄いグレーや生成りの台紙に、上品な罫線入りのものが人気です。
印刷業者への依頼方法
時間や手間をかけず、きちんとした仕上がりを希望する場合は、専門の印刷業者への依頼が安心です。
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テンプレート利用が便利
多くの業者では、法事専用の文例テンプレートが用意されており、文言や差出人名を変更するだけで簡単に注文できます。フォントや用紙の種類、封筒とのセット商品も豊富に選べます。 -
デザイン付き招待状も選択可能
近年は、モダンな和柄や花模様(桔梗・桜・蓮など)を取り入れた招待状も増えています。過度に装飾的ではなく、控えめな美しさを意識したデザインが好まれます。 -
校正チェックは必須!
印刷前には必ず文面や日付、会場情報などの最終確認(校正)を行いましょう。誤字脱字や時間・場所の間違いはトラブルのもとです。
オリジナルテンプレートの利用法
費用を抑えたい、もしくは自分の言葉で丁寧に案内したい方には、自宅での印刷もおすすめです。
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無料テンプレートの活用
インターネット上には、法事用の無料テンプレート(WordやPDF形式)が多数公開されています。挨拶文や構成が整っているため、内容を入力するだけで簡単に作成できます。 -
編集・印刷のポイント
Word形式のテンプレートを使用する際は、文字のバランスや行間、改行位置に注意しましょう。プリンターで印刷する際には、厚めのインクジェット対応紙を使用すると見栄えが良くなります。 -
手書きメッセージを添えても◎
印刷文の最後に「一言だけ手書きのメッセージ」を添えると、温かみが感じられ、より丁寧な印象を与えることができます。
メール招待状の注意点
現代では、メールやLINEなどのデジタル手段での案内も一部では増えつつありますが、法事という性質上、注意すべき点も多くあります。
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メールはあくまで補助的な手段
ご高齢の方や格式を重んじる親族の場合、メールやSNSの案内は失礼にあたると感じられることもあります。正式な案内は紙の招待状が基本です。 -
デジタルを活用するケース
家族のみ、若年層中心のカジュアルな法事であれば、グループLINEやメールでの案内も許容されることがあります。ただし、必ず事前に相手の年代や関係性を考慮し、失礼にならないよう配慮しましょう。 -
文面の丁寧さを忘れずに
メール文であっても、時候の挨拶や頭語・結語を適切に使い、敬語を意識した丁寧な文章にしましょう。件名には「法事のご案内(〇〇の一周忌法要)」など、内容が伝わる表現を。
この章のまとめ:
法事の招待状は、故人を偲ぶ気持ちと、参列者への配慮を形にする大切なツールです。デザインや方法にこだわりすぎずとも、「丁寧に伝える姿勢」を大切にすれば、自然と気持ちのこもった案内状になります。
法事招待状送付時のポイント
法事の招待状は、ただ送るだけでなく、適切なタイミング・丁寧な送付方法・その後の対応まで配慮することで、相手に安心感と誠意を伝えることができます。この章では、送付に関する基本的な流れや注意点を詳しくご紹介します。
送付タイミングと手順
法事の招待状は、法要の1か月前を目安に発送するのが理想です。準備やスケジュール調整の猶予を与えることで、受け取った側も安心して対応できます。
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目安となる送付時期
一般的には法事の4週間前が目安ですが、遠方からの参列が予想される場合は5〜6週間前に送ると丁寧です。 -
手順の流れ
1. 文面作成(家族内確認・寺院や会場の予約状況に応じて)
2. 印刷または業者へ依頼
3. 封筒・招待状・返信ハガキの準備(必要に応じて案内図も同封)
4. 送付リストの確認と宛名書き(手書きまたは印刷)
5. 発送(郵便局の窓口から手渡しが安心) -
発送時のひと工夫
招待状の中に、法要後の会食場所の案内図や、駐車場情報を同封しておくと、より丁寧な印象になります。高齢の方には「歩く距離」「階段の有無」なども事前に知らせると安心です。
返信状の作成方法とマナー
招待状を出す側は、返信のしやすさとマナーを意識した設計を行うことが大切です。
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返信用ハガキ・封筒の基本
- 出席/欠席を選べるチェック形式
- 参列者の氏名記入欄(ご家族で複数名参加の場合も想定)
- 同伴人数やアレルギー情報(会食がある場合)
- 自由記入欄(連絡事項やお気遣いの言葉を受け取れる欄) -
返信用封筒への配慮
- 切手は必ず貼っておくのがマナーです(82円またはハガキ63円が一般的)
- 差出人(受取側)の住所・氏名をあらかじめ印刷しておくと親切です -
返信後のお礼も忘れずに
返信を受け取ったら、参加の有無に関わらず、感謝の一言を伝えることが丁寧な対応となります。電話・メール・LINEなど状況に応じた方法で一言「ご連絡ありがとうございます」と伝えましょう。
万が一の電話連絡方法
返信がない場合や、住所不明で送付できなかった場合は、丁寧な電話確認が必要です。以下のような点に配慮しましょう。
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確認の際の基本マナー
・急な電話になったことへのお詫び
・返信がないことを責めるのではなく、「お手元に届いていますか?」という柔らかな確認
・相手の体調やご都合を気遣う一言(例:「お忙しいところ恐縮ですが、お体はいかがでしょうか」) -
こんな伝え方がおすすめ
「法要のご案内を〇月〇日にお送りさせていただきましたが、ご確認いただけましたでしょうか?
ご都合のつくようでしたら、ぜひご一緒に故人を偲ばせていただければと思っております。」 -
電話のタイミングにも配慮を
午前10時~午後6時ごろが無難です。早朝・夜間・食事時間帯を避け、事前にメールやLINEで「少しお時間よろしいですか?」と一言入れておくと好印象です。
この章のまとめ:
法事の招待状は、送りっぱなしではなく、送る前後の配慮までが一連のマナーです。相手に負担をかけない工夫や、返信しやすい仕組み、万が一の対応にも丁寧さを忘れず、誠意が伝わるご案内を心がけましょう。
法事招待状に関するQ&A
法事の招待状は、形式や言葉遣いなどに迷いやすいものです。ここでは、よくある疑問にお答えしながら、失敗しないためのポイントや参考資料についてもご紹介します。
よくある質問とその答え
Q. 招待状は必ず出さなければなりませんか?
A. 必須ではありませんが、書面での案内が最も丁寧です。
特に一周忌や三回忌、七回忌などの正式な法要では、書面でのご案内が一般的とされています。小規模で家族のみの法事であれば、電話や口頭での連絡でもマナー違反にはなりませんが、「気持ちを丁寧に伝える」手段として、招待状は非常に有効です。特に遠方の方には書面のほうが安心感があります。
Q. 香典に関する案内は書いてもいいのでしょうか?
A. 基本的には香典については文中に触れないのがマナーとされています。
ただし、ご厚志を辞退する意思を示したい場合には、文末や別紙に
「※なお、誠に勝手ながらご厚志の儀は固くご辞退申し上げます」
といった一文を添えるのが一般的です。
逆に香典を受け取る場合でも「ご香典を賜る方はお気遣いなく…」などと、受け取りを強調しすぎない配慮ある表現を用いるのが望ましいです。
Q. 招待状を出した後にキャンセルや変更が出た場合は?
A. やむを得ない変更が生じた場合は、早めの連絡とお詫びの言葉が重要です。
急な日程変更や会場変更があった場合には、すぐに電話・メール・郵便などで連絡を入れ、「事情説明とお詫び」「新しい詳細」「再度のお願い」を丁寧に伝えましょう。
状況によっては、追って書面での再案内を送るのが礼儀です。
失敗しない招待状作成のコツ
法事の招待状は形式的で難しく感じがちですが、基本を押さえておけば失敗を避けることができます。
1. 誤字脱字を丁寧にチェック
故人の名前、日時、場所の漢字ミスは特に注意が必要です。複数人で校正すると安心です。
2. 必要事項を漏らさない
以下の情報が揃っているか再確認しましょう。
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法要の目的(例:一周忌法要)
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日時(曜日・開始時間まで)
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会場(住所・連絡先・地図)
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会食の有無
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出欠の確認方法(返信期限)
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差出人情報
3. 差出人の情報を明記する
フルネーム、住所、電話番号(またはメールアドレス)を忘れず記載しましょう。返信や連絡の取りやすさも大切です。
4. 返信のしやすさに配慮する
返信用封筒には切手を貼り、氏名欄・出欠欄・人数欄を明確に記載。返信しやすい仕組みは「心づかいの見える化」です。
法事に関する知識を深めるための資料
さらに理解を深めたい方は、以下のような資料を参考にすると安心です。
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葬儀・法要マナーを扱った書籍
→『法事・法要のマナーと実例集』(成美堂出版 など) -
寺院・石材店が配布している無料小冊子
→ 宗派別の作法やお布施の目安、法要の流れが解説されています。 -
法事関連のポータルサイト
→ 小さなお葬式、いい仏壇、鎌倉新書などの信頼性ある法事マガジンや解説記事が豊富です。 -
市区町村の地域情報誌や配布資料
→ 地元の葬儀社や会館で無料配布されていることもあります。
この章のまとめ:
法事の招待状は形式にとらわれすぎる必要はありませんが、相手への敬意と気遣いが伝わる丁寧さが何より大切です。不安な点は事前に確認し、安心してご案内できるよう備えておきましょう。
まとめ|丁寧な招待状で法事の準備を整えましょう
法事の招待状は、故人を偲ぶ大切な場へ相手をお迎えするための第一歩です。形式や文例に迷った際も、基本的な構成やマナーを押さえれば、失礼のない案内ができます。
本記事でご紹介した文例や注意点を活用しながら、誠意のこもった招待状を準備してみてください。丁寧なご案内は、参列者の安心と信頼にもつながります。ぜひ今から少しずつ準備を始めていきましょう。