退職日には何する?最終出社日を気持ちよく迎える方法

退職・転職・人生の変化

「退職日って何をするのが正解?」──そう悩む方は少なくありません。手続きや挨拶、引き継ぎなど、気を付けるべきことが多く、不安になってしまいますよね。
実は、事前にやるべきことを押さえておくだけで、最終出社日を気持ちよく迎えることができます。
本記事では、退職日までに済ませたい準備や当日の過ごし方、退職後の手続きまでをわかりやすく解説。
「円満退職したい」「トラブルなく辞めたい」と考えている方に向けて、役立つ情報をまとめました。

  1. 退職日までにやるべき手続き
    1. 退職手続きの流れと必要書類
    2. 退職届の提出方法と注意点
    3. 健康保険や雇用保険の手続き
      1. ① 国民健康保険へ加入
      2. ② 家族の扶養に入る(被扶養者になる)
      3. ③ 任意継続被保険者制度を利用
    4. 住民税や所得税の処理方法
      1. ■ 住民税の支払い
      2. ■ 所得税と年末調整・確定申告
  2. 退職日の過ごし方
    1. 最終出社日の心構えと準備
      1. デスクやロッカーの整理整頓
      2. 残った仕事の確認
      3. 最後のスケジュール管理
      4. 気持ちの整理と前向きな態度
    2. 同僚や上司への挨拶のポイント
      1. 感謝の気持ちを率直に伝える
      2. 辞める理由を深く語りすぎない
      3. 笑顔と礼儀を忘れずに
      4. メールでの挨拶も有効
    3. 職場でのスピーチ例文と実践
      1. 基本構成(約30秒〜1分)
      2. 実践のコツ
    4. 退職日に贈る手土産やお菓子
      1. おすすめのお菓子やギフト
      2. 贈り物の注意点
  3. 退職後の生活と転職活動
    1. 転職先決定のための求人情報の収集
      1. 利用すべき主な求人情報源
      2. 自己分析と希望条件の明確化
    2. 有給休暇の使い方と残りの期間
      1. 退職までの有給取得のポイント
      2. 有給中の過ごし方アイデア
    3. 失業保険の申請方法と条件
      1. 受給のための主な条件
      2. 自己都合退職の場合の注意点
      3. 手続きに必要なもの
    4. 退職後のキャリアパスとフリーランスの道
      1. フリーランスとして始めるには?
      2. 活用できる主なサービス
      3. 在宅ワークの需要拡大
  4. 円満退職を実現するためのマナー
    1. 退職時に気を付けるべきマナー
      1. 1. 退職理由は丁寧に、簡潔に伝える
      2. 2. 最後まで責任を持って業務を遂行する
      3. 3. 感謝の気持ちを積極的に伝える
    2. ネガティブな印象を与えない方法
      1. 1. 批判・悪口は言わない
      2. 2. 締めくくりは前向きに
    3. 後任者への引き継ぎの重要性
      1. 効果的な引き継ぎの進め方
    4. 社内外へのお世話になりましたのご挨拶
      1. 社内での挨拶例(メール)
      2. 社外への挨拶例
      3. 名刺や連絡先の整理も忘れずに
  5. 退職日の前後に注意すべきこと
    1. 当日の流れとタイミング
      1. 一般的な退職日のタイムライン例(9:00〜17:00)
      2. 当日の注意点
    2. 返却すべき備品や書類の整理
      1. よくある返却物一覧
      2. 整理のコツ
    3. 退職後の連絡先の整理と設定
      1. やるべき3つのこと
    4. 退職後の健康保険や年金の切り替え
      1. 健康保険の選択肢
      2. 年金の切り替え
      3. オンライン申請にも対応
    5. ワンポイント|手続きに必要な書類チェックリスト
  6. まとめ|退職日を安心して迎える準備を始めましょう

退職日までにやるべき手続き

退職を円満に終えるためには、事前の手続きや準備がとても重要です。退職日直前になって慌てないように、必要な書類や提出物、役所関連の手続きまで、早めに確認しておきましょう。

退職手続きの流れと必要書類

退職が決まったら、まずは「退職に関する基本的な流れ」を把握することから始めましょう。一般的な流れは以下のとおりです。

  1. 上司への退職意思の伝達(口頭)
     退職の意思が固まったら、まず直属の上司に口頭で伝えましょう。この時点ではまだ退職届は出しません。できれば退職希望日の1〜2ヶ月前には伝えるのがマナーです。

  2. 退職届の提出
     会社によって提出期限や様式が決まっている場合があるため、就業規則を確認しましょう。退職願と退職届は意味が異なるため、提出形式にも注意が必要です。

  3. 必要書類の受け取り
     退職時には、以下のような書類を会社側から受け取る必要があります。

    • 離職票(失業保険の申請に必要)

    • 源泉徴収票(確定申告や転職先での手続きに必要)

    • 雇用保険被保険者証

    • 年金手帳(原本を保管していない場合)

  4. 社会保険・年金・税金関連の案内確認
     退職後の公的手続きについて、会社から案内がある場合はよく確認しておきましょう。

その他、退職時に提出または返却するものの一例:

  • 退職届

  • 健康保険証

  • 年金手帳

  • 社員証、IDカード、社用スマホ

  • 名刺(自分の分・取引先の分)

  • ロッカーキー、制服、備品 など

退職が決まった段階で「返却リスト」を自分で作っておくとスムーズです。

退職届の提出方法と注意点

退職届は「退職の意思を正式に文書で伝えるもの」であり、上司への口頭の報告とは別物です。提出時のポイントは以下の通りです。

  • 退職日を明記すること
     たとえば「令和◯年◯月◯日付で退職いたします」と明記しましょう。

  • 提出形式・フォーマットに従う
     会社指定の様式がある場合は必ず使用し、手書きかPC入力かも確認しておくのが安全です。

  • 直属の上司に提出するのが原則
     先に人事部に出すのではなく、上司の了承を得てから進めましょう。

  • 感情的な文言は避ける
     理由を詳しく書く必要はなく、「一身上の都合により」で問題ありません。文面には礼儀を重んじ、感情的な表現は控えましょう。

例文(退職届の本文)

このたび、一身上の都合により、令和〇年〇月〇日をもって退職いたしたく、ここにお願い申し上げます。

提出は紙媒体で行うのが一般的ですが、リモート勤務などで直接手渡しできない場合は、PDFでの提出も相談可能です。

健康保険や雇用保険の手続き

退職後は「会社の社会保険」から外れるため、必ず新たな保険に加入する必要があります。以下の3つの選択肢から状況に合った方法を選びましょう。

① 国民健康保険へ加入

住民票がある市区町村の役所で手続き。退職日翌日から14日以内に申請が必要です。

② 家族の扶養に入る(被扶養者になる)

配偶者が社会保険に加入している場合は、一定の条件を満たすことで扶養に入れます。保険料の負担を抑えたい方におすすめ。

③ 任意継続被保険者制度を利用

これまでの健康保険を最長2年間継続可能。保険料は全額自己負担になりますが、医療内容や制度はそのまま維持できます。退職日翌日から20日以内に申請が必要です。

雇用保険(失業保険)を受給したい場合は、以下の流れになります。

  • 離職票を会社から受け取る

  • ハローワークに持参し、求職申込み

  • 7日間の待機期間+自己都合退職の場合は給付制限期間(2〜3ヶ月)あり

申請のタイミングによって給付開始が大きく変わるので、早めに離職票を受け取るよう手配しましょう。

住民税や所得税の処理方法

退職後も税金の支払いは続きます。以下に注意が必要です。

■ 住民税の支払い

住民税は前年の所得に応じて課税されており、退職後も残額を納付する義務があります。

  • 特別徴収(給与天引き)の場合は、退職時に残額を一括徴収されることも

  • 普通徴収に切り替えて、自分で納付書で支払うパターンもあります(退職後に市区町村から送られてくる)

会社側に、住民税の「徴収方法」を確認しておきましょう。

■ 所得税と年末調整・確定申告

退職時点で年末調整が行われないケースでは、翌年に自分で確定申告が必要になります。特に以下のような場合は注意。

  • 転職せずに年内に収入がない場合

  • 転職先で年末調整が間に合わなかった場合

  • 医療費控除やふるさと納税などの還付申請をしたい場合

退職時に源泉徴収票を必ず受け取り、保管しておくことが大切です。

退職日の過ごし方

退職日は、これまでの勤務生活を締めくくる特別な1日です。寂しさや達成感、さまざまな感情が交錯する中でも、最後まで誠実な姿勢で臨むことが信頼ある退職の鍵になります。ここでは、当日の心構えや準備、職場での挨拶、スピーチ、手土産の選び方まで詳しく解説します。

最終出社日の心構えと準備

退職日当日は、やるべきことをきちんと済ませ、「気持ちよく職場を後にできる状態」をつくることが大切です。以下の準備を意識しましょう。

デスクやロッカーの整理整頓

退職日当日はバタバタしがちなので、できれば前日までに片付けを済ませておくのが理想です。
・不要な書類の廃棄
・私物の持ち帰り
・デスクを空の状態にしておく
など、次に使う人のことを考えた整理を心がけましょう。

残った仕事の確認

最終出社日には、引き継ぎの最終確認や、保留中の案件のステータス確認を行いましょう。
「ここまでは終わっていて、これ以降は〇〇さんが対応予定です」と口頭で伝えるとより丁寧です。
また、関係部署や取引先への引き継ぎ挨拶も忘れずに。

最後のスケジュール管理

当日は「午前中に備品返却、午後に送別会」など、時間配分を意識したスケジュール調整がポイントです。
退職挨拶や書類提出の時間帯を事前に確認しておくと、慌てずに行動できます。

気持ちの整理と前向きな態度

「最後の日こそ、笑顔で」
これまでの仕事に感謝し、これからの人生に前向きな気持ちで臨むことで、良い印象を残して次へ進むことができます

同僚や上司への挨拶のポイント

退職日の挨拶は、形式的なものではなく、あなたの人柄を伝える大切な機会でもあります。

感謝の気持ちを率直に伝える

「本当にお世話になりました」「一緒に仕事ができて嬉しかったです」といったポジティブな表現を心がけましょう。

辞める理由を深く語りすぎない

理由を聞かれても、「新しいことに挑戦したくて」など、前向きで簡潔な言い回しに留めるのがベターです。

笑顔と礼儀を忘れずに

口頭での挨拶はもちろん、丁寧なお辞儀や笑顔は印象を左右します。立ち止まってしっかり話すことが大切です。

メールでの挨拶も有効

全社的にお世話になった方には、一斉メールでの退職挨拶も有効です。以下の要素を入れると好印象です:

  • これまでの感謝の気持ち

  • 退職日と連絡先(必要に応じて)

  • 社員へのエールや前向きな締めの言葉

職場でのスピーチ例文と実践

送別会や朝礼、最終日のお昼などに退職の挨拶を求められることがあります。以下のような構成で話すと自然で伝わりやすくなります。

基本構成(約30秒〜1分)

  1. 挨拶とお礼の言葉
     例:「本日はこのような場を設けていただきありがとうございます。」

  2. 在籍中の感謝とエピソード
     例:「〇年間、本当にお世話になりました。皆さんの支えがあって、日々充実した仕事ができました。」

  3. 今後の意気込みと別れの挨拶
     例:「ここでの経験を糧に、これからも頑張っていきます。本当にありがとうございました。」

実践のコツ

  • 簡単なメモを用意しておくと緊張しても安心です。

  • 冗談や内輪ネタは場に応じて判断を。誰にでも伝わる内容を意識しましょう

  • 締めは「ありがとうございました」の一言で堂々と終わるのが基本です。

退職日に贈る手土産やお菓子

退職時に手土産やお菓子を用意することは必須ではありませんが、感謝の気持ちを伝えるさりげない方法として、多くの方が用意しています。

おすすめのお菓子やギフト

  • 個包装の焼き菓子(フィナンシェ、クッキー、マドレーヌなど)
     衛生面でも安心で、配りやすいのが魅力です。

  • 感謝メッセージを添えたミニギフト
     ポストカードサイズのメッセージや一言メモをつけるだけでも印象がアップします。

  • 部署ごとに分けて配れるもの
     大きな箱タイプよりも、部署別に分けられるような詰め合わせの方が配布しやすくスマートです。

贈り物の注意点

  • 高価すぎるものはかえって気を使わせる可能性があるため避けるのが無難です。

  • 香りが強すぎるもの(ミント・香料の強い菓子)やアレルギーを起こしやすい食品は慎重に。

「気持ちよく送り出してもらいたい」「最後に感謝を形にしたい」そんな気持ちが伝われば十分です。

退職後の生活と転職活動

退職はゴールではなく、新しいキャリアや生活のスタートでもあります。ここでは、退職後にすべきこと・考えておきたいことを、転職活動・生活設計・フリーランスの可能性も含めて詳しく解説します。

転職先決定のための求人情報の収集

退職後に焦らないためには、事前の情報収集と自己分析が鍵です。下記のツールやサービスを上手に活用して、次のステップを具体化していきましょう。

利用すべき主な求人情報源

  • 転職エージェント(リクルートエージェント、doda、マイナビ転職など)
     担当者がつき、非公開求人の紹介や面接対策もサポートしてくれます。退職前から登録・相談しておくとスムーズです。

  • ハローワーク(公共職業安定所)
     地元密着型の求人や、失業保険の手続きと連携しやすいメリットがあります。職業訓練校への案内も充実しています。

  • 転職サイト(エン転職、ビズリーチ、Greenなど)
     自分のペースで検索・応募が可能。スカウト機能を活用するのもおすすめ。

  • SNSや口コミサイト
     TwitterやLinkedIn、OpenWork(旧Vorkers)などでは、リアルな社員の声や職場環境の評判が得られます。直接企業とつながることも可能です。

自己分析と希望条件の明確化

求人を探す前に「自分が何を望んでいるか」をはっきりさせておくと、ミスマッチを防げます。

  • これまでの経験で活かせるスキルは?

  • 年収・勤務時間・職種・勤務地などの希望条件は?

  • 将来的なキャリアビジョンは?

必要であれば「転職ノート」や「スキル棚卸しシート」を作成しておくと、エージェントとの面談もスムーズになります。

有給休暇の使い方と残りの期間

有給休暇は退職時にまとめて取得する人も多く、転職準備やリフレッシュのための大切な時間となります。

退職までの有給取得のポイント

  • 退職日=有給消化後の日付となるパターンが一般的

  • 有給の残日数を人事部に確認し、上司と取得スケジュールを調整

  • 引き継ぎの完了を見越して、有給の開始日を設定

たとえば「最終出社日:6月15日、有給消化開始:6月16日、退職日:6月30日」という形も可能です。

有給中の過ごし方アイデア

  • 転職先の企業研究や応募書類の作成

  • 資格取得や職業訓練の情報収集

  • 心身をリセットする旅行や休養期間

「仕事の整理と人生の再設計」に向けて、有意義に使うのが理想です。

失業保険の申請方法と条件

退職後すぐに転職しない場合や、しばらく休養したい方は、失業手当(雇用保険)を活用することで経済的な安心を得られます。

受給のための主な条件

  1. 雇用保険に1年以上加入していたこと(離職前2年間で通算12ヶ月以上)

  2. 離職後、ハローワークに求職申し込みをしていること

  3. 就職の意思があり、実際に活動していること

自己都合退職の場合の注意点

  • 7日間の「待期期間」後、さらに2ヶ月〜3ヶ月の給付制限期間あり(2020年以降は一定の条件で2ヶ月に短縮)

  • 受給開始まで最大で3ヶ月程度かかる場合があるため、資金計画は慎重に

手続きに必要なもの

  • 離職票(会社から退職後1週間以内に郵送)

  • マイナンバーカードまたは通知カード+本人確認書類

  • 写真(証明写真サイズ)

  • 印鑑、口座情報

申請後は定期的な「認定日」にハローワークへ出向く必要があります。詳細なスケジュールは初回説明会で案内されます。

退職後のキャリアパスとフリーランスの道

最近では、会社に属さずに働くスタイルを選ぶ人も増えています。副業の延長やスキルを活かして独立・開業するのも一つの選択肢です。

フリーランスとして始めるには?

  • 開業届を税務署に提出(個人事業主としての第一歩)

  • 青色申告の申請(節税効果あり)

  • 収入管理や経費管理の体制づくり(会計ソフト導入など)

  • ポートフォリオや営業ツールの整備

特に、Webライター・デザイナー・動画編集・コンサルティング・翻訳など、スキルベースの業種はフリーランスとの相性が良いです。

活用できる主なサービス

  • クラウドワークス、ランサーズ、ココナラなどのスキルシェアサイト

  • noteやブログでの情報発信→案件獲得

  • SNSでのセルフブランディング

在宅ワークの需要拡大

コロナ禍以降、リモート業務が浸透し、企業側も外部パートナーとして業務委託を活用する動きが加速しています。正社員以外の働き方でも安定収入を得る道は広がっています。

円満退職を実現するためのマナー

退職を迎えるにあたって、多くの方が気にするのが「円満に辞められるかどうか」。どれだけ在籍期間が短くても、最後の印象は強く残るものです。ここでは、トラブルを防ぎ、感謝されて送り出されるためのマナーと心構えを具体的に紹介します。

退職時に気を付けるべきマナー

「立つ鳥跡を濁さず」という言葉があるように、辞めるときこそ、今までの人間関係や信頼を大切にする姿勢が問われます。以下のようなポイントを意識しましょう。

1. 退職理由は丁寧に、簡潔に伝える

退職理由を尋ねられた際は、以下のような前向きでシンプルな理由にとどめるのが無難です。

  • 「スキルアップのため」
  • 「新しい業界にチャレンジしたい」
  • 「家庭の事情により生活スタイルを見直した」

ネガティブな本音があっても、職場での経験を「学び」や「糧」として感謝の言葉とともに伝える姿勢が好印象につながります。

2. 最後まで責任を持って業務を遂行する

退職が決まったからといって手を抜いたり、周囲への配慮を欠いた対応はNGです。むしろ、「辞め際こそ人の本性が出る」と見られることもあるため、以下を意識して行動しましょう。

  • 最後の日まで通常通りの出社・勤務姿勢を貫く
  • 業務を一つずつ丁寧に片付け、滞りなく引き継ぐ
  • 周囲へのフォローや声かけも忘れずに

「最後まで信頼できる人だった」と思われることで、退職後も良好な関係を維持できます。

3. 感謝の気持ちを積極的に伝える

「ありがとうございました」の一言が人間関係を柔らかく締めくくる鍵になります。たとえば

  • 日頃からお世話になっていた上司や同僚には直接言葉で
  • 関わりの薄かった方々へは一斉メールや手土産にメッセージを添える
  • SNS等でも感謝の気持ちをさりげなく投稿する

相手に負担をかけず、自然な感謝表現が理想的です

ネガティブな印象を与えない方法

退職理由や在籍中の不満を不用意に口にすると、評価を大きく下げてしまうリスクがあります。今後の転職活動や人間関係にも影響を与える可能性があるため、以下のような注意が必要です。

1. 批判・悪口は言わない

「上司が合わなかった」「社風に耐えられなかった」など、たとえ事実であってもネガティブな発言は避けましょう。人づてに広がることもあり、自分の印象を損なう可能性があります。

2. 締めくくりは前向きに

退職時の一言は、こうまとめると好印象です。

  • 「短い間でしたが、大変勉強になりました」
  • 「ここでの経験を活かして、次も頑張ります」
  • 「多くのご指導をいただき、ありがとうございました」

自分にとってのプラス面を意識して、感謝を軸にした言葉選びを心がけましょう。

後任者への引き継ぎの重要性

後任者への引き継ぎは、あなたが最後に残す”成果物”とも言えます。丁寧な引き継ぎが、会社からの評価や同僚の印象を大きく左右します。

効果的な引き継ぎの進め方

  1. 引き継ぎ資料を整える
    業務フロー、対応マニュアル、注意点などを「誰でも読めばわかる」ようにまとめます。ExcelやWordで構成するとわかりやすいです。
  2. 口頭での補足説明もセットで
    資料だけでは伝わらない細かなニュアンスや、ケースバイケースの対応も、直接伝えておくとスムーズです。
  3. 日程調整をして実地で引き継ぐ
    できれば業務を一緒にこなしながら、実践を交えた引き継ぎを行うのが理想です。

引き継ぎの「見える化」と「丁寧な姿勢」は、職場全体の信頼感アップにもつながります。

社内外へのお世話になりましたのご挨拶

退職時には社内だけでなく、社外の関係者にも一言挨拶を伝えておくことが社会人としてのマナーです。

社内での挨拶例(メール)

件名:退職のご挨拶

お世話になっております。
私ごとで恐縮ですが、〇月〇日をもちまして退職することとなりました。

在職中はひとかたならぬご厚情を賜り、心より感謝申し上げます。
今後の皆さまのご活躍をお祈りしております。

略儀ながら、メールにてご挨拶申し上げます。

氏名

社外への挨拶例

取引先や顧客へは、以下の要素を含めたメールや挨拶状が好印象です。

  • 氏名と退職日
  • 担当変更の連絡(後任者の氏名)
  • 感謝の言葉と今後の発展を祈る言葉

名刺や連絡先の整理も忘れずに

必要に応じて、私用の連絡先を伝えるのも一つの手ですが、ビジネス的な距離感を考慮して判断することが大切です。

退職日の前後に注意すべきこと

退職日は「退社の手続き」と「お世話になった方への感謝」を伝える、重要な1日です。そして、その前後の行動が、社会人としての印象を大きく左右します。ここでは、当日の流れや返却物の整理、退職後の手続きまで、見落としがちなポイントを網羅的に解説します。

当日の流れとタイミング

退職日は思いのほか慌ただしくなりがちです。スムーズな一日を過ごすために、行動の流れを把握しておきましょう。

一般的な退職日のタイムライン例(9:00〜17:00)

時間帯 行動内容
9:00〜10:00 出社・備品返却チェック・最終業務確認
10:00〜11:00 社内での挨拶回り(上司・同僚)
11:00〜12:00 人事・経理への退職手続き最終確認
12:00〜13:00 送別ランチ(部署内)※会社によって実施
13:00〜15:00 スピーチ・お菓子配布・私物整理
15:00〜16:00 最後のメール送信(社内・社外)
16:00〜17:00 担当者・上司への退出報告・退社

当日の注意点

  • 遅刻厳禁。最終日ほど丁寧な行動を。
  • 会社の慣習に合わせて時間配分を調整(送別会などがある場合も)
  • 「挨拶の順番」や「退職処理の確認時間」を事前に把握しておくと安心

返却すべき備品や書類の整理

退職時には会社から「返却を求められるもの」が多数あります。返し忘れがないよう、退職1週間前までに下記リストを作成・確認しておくことが理想です。

よくある返却物一覧

  • 社員証、入館カード
  • 健康保険証(本人・扶養家族分)
  • 名刺(未使用分)
  • 社用PC、スマートフォン、タブレット
  • 業務マニュアル、資料一式
  • 制服・作業着・貸与された備品類
  • 鍵類(ロッカー・オフィス・車両など)
  • セキュリティ関連カードやUSBメモリ

整理のコツ

  • 退職前日までにまとめてカバンに準備
  • 各部署への返却先・担当者名を確認
  • 返却チェックリストを自作すると安心(ExcelやメモアプリでもOK)

退職後の連絡先の整理と設定

退職後に「メールが届かない」「連絡がつかない」という事態を防ぐためにも、最低限の連絡手段の整備と整理は欠かせません。

やるべき3つのこと

  1. 業務メールの転送・自動返信設定(必要に応じて)
    「〇月〇日をもって退職いたしました。今後のご連絡は〇〇宛にお願いいたします。」などの文面を設定。
  2. 私物データの削除・バックアップの確認
    個人のUSBやクラウドにデータを移動する行為は原則禁止。必ず社内ルールに従って削除・整理を。
  3. 今後もつながっていたい人へ、連絡手段を伝える
    – 名刺に私用のメールアドレスを記載
    – LINEやLinkedInなどでつながる(プライベートと分けたい人は慎重に)

連絡先交換は「関係性が続く可能性がある人」だけに絞っても問題ありません。丁寧な配慮を持って行いましょう。

退職後の健康保険や年金の切り替え

会社を退職すると、会社の社会保険から脱退し、14日以内に自分で加入・切り替えの手続きが必要になります。

健康保険の選択肢

  1. 国民健康保険への加入
    お住まいの市区町村で申請。退職日翌日から14日以内に手続きが必要です。
  2. 配偶者の扶養に入る(健康保険)
    一定の収入要件を満たせば、配偶者の健康保険に加入可能。会社や健保組合へ申請が必要です。
  3. 任意継続被保険者制度
    会社の健康保険を最長2年まで継続可能。保険料は全額自己負担ですが、保障内容は現状維持されます。
    → 退職日から20日以内に申請

年金の切り替え

  • 会社員(厚生年金)→ 国民年金(第1号被保険者)に切り替え
  • 市区町村の窓口で手続きが必要
  • 保険料の納付は自分で行う形になります

オンライン申請にも対応

最近ではマイナンバーカードを活用したオンライン手続きが可能な自治体も増加中。ただし、初回は本人確認のために窓口来庁が求められることもあります。

ワンポイント|手続きに必要な書類チェックリスト

手続き内容 提出場所 必要書類例
国民健康保険加入 市区町村役所 離職票・本人確認書類・マイナンバー
任意継続申請 元の健康保険組合 健康保険証・申請書・印鑑
年金切り替え 市区町村役所 年金手帳・マイナンバー・印鑑
雇用保険手続き ハローワーク 離職票・通帳・本人確認書類

退職日が近づくにつれて慌ただしくなりますが、「前日までにできること」「当日にしかできないこと」を分けて準備しておくと、落ち着いて、気持ちよく最終日を迎えることができます

まとめ|退職日を安心して迎える準備を始めましょう

退職日は、ただ会社を去る日ではなく、これまでの感謝を伝え、新たな一歩を踏み出す大切な節目です。事前に必要な手続きやマナーを把握しておけば、最終出社日も落ち着いて迎えられます。特に健康保険や失業保険などの手続きは後回しにせず、計画的に進めることがポイントです。

この記事を参考に、「退職日には何する?」という疑問をしっかり解消し、前向きな気持ちで新しいスタートを切りましょう。

タイトルとURLをコピーしました