49日のお布施表書きはどう書く？間違えやすい言葉遣いや封筒の選び方

四十九日法要のお布施、「表書きは御布施でいいの？」「封筒の種類は？」と迷っていませんか？間違った形式で渡してしまうと、失礼にあたるのでは…と不安になりますよね。

でもご安心ください。本記事では、初心者の方でも安心して準備できるよう、49日のお布施に関する表書きの正しい書き方や、封筒・水引の選び方まで、わかりやすく丁寧に解説します。故人を偲ぶ大切な法要だからこそ、心を込めてきちんと対応しましょう。

49日法要のお布施に関する基礎知識

49日法要とは何か？

四十九日（49日）法要とは、故人が亡くなってから数えて49日目に営まれる仏教の重要な法要のひとつです。仏教の教えでは、人は死後7日ごとに生前の行いに基づいて審判を受けるとされており、49日目（七七日＝しちしちにち）はその最終審判の日とされています。

この日に営まれる法要は「忌明け（きあけ）」とも呼ばれ、故人の魂が極楽浄土へ旅立つとされる転機の行事です。遺族にとっては、故人への感謝と冥福を祈る大切な節目であり、精神的な区切りともなります。

法要の当日は、親族や親しい知人が集まり、お寺で僧侶に読経していただいた後に納骨を行うケースが一般的です。その後、精進料理や会食を通して、故人を偲ぶ時間を共有することが多く、地域や宗派によって細かな流れに違いがあります。

お布施とは？その意味と役割

「お布施」とは、本来、仏教における布施行（ふせぎょう）に由来する言葉で、仏様や僧侶に対して感謝の気持ちを込めて「施す」ことを意味します。現代では、法要や葬儀などで僧侶に読経などの宗教儀式をお願いする際にお渡しする金品のことを指しますが、これは「サービスの対価」ではなく、あくまで「感謝の気持ちを表すための行為」とされています。

そのため、お布施の金額には明確な決まりがなく、相手に対して失礼のない範囲で、自分が無理なくできる範囲で包むことが重視されます。「いくら渡せばよいか」と悩む方は多いですが、根底にあるのは“形式”よりも“心”であり、「真心を込めて丁寧に渡す」ことが何よりも大切なのです。

法要におけるお布施の重要性

49日法要におけるお布施は、読経をしていただく僧侶への謝礼であると同時に、施主が仏教の教えに従い「施しの行い」を実践する機会でもあります。僧侶の供養行為（読経・戒名授与・納骨の立会いなど）に対して、お布施を通じて敬意と感謝を形にして伝えることで、故人に対する供養の気持ちがより深まります。

また、お布施は寺院や僧侶の活動を支える重要な財源のひとつです。特に地域のお寺では、檀家（だんか）からのお布施によって、維持管理や地域行事の継続が支えられています。施主にとっては、仏縁を結ぶ行為でもあり、宗教的・社会的な意味合いを併せ持つ、非常に意義深い儀礼の一環だといえるでしょう。

49日法要におけるお布施の表書きとその書き方

表書きの基本と注意点

49日法要で僧侶に渡すお布施の封筒には、中央上部に「御布施」または「お布施」と記載するのが基本です。文字は毛筆、もしくは筆ペンを使用し、楷書（かいしょ）で丁寧に書きましょう。略字や崩し字、ボールペンでの記入は避けた方が無難です。

封筒の裏面、または中袋（中包み）には、施主（せしゅ／施しを行う側）の氏名と住所を記載します。特に中袋には、「金〇〇円也」などと金額を旧字体で記載するのが一般的です（例：金壱萬円也）。なお、金額を書く際は横書きではなく縦書きが望ましいとされています。

また、お布施には「包む側の誠意」が大切なため、封筒や筆記に汚れがあったり、折れていたりすると印象が悪くなる可能性があります。封筒は新しいものを用意し、直前に書き写すのではなく、落ち着いた環境で丁寧に準備することが大切です。

四十九日法要での水引の使い方

お布施に使う封筒には、水引がついているものと無地のものがあります。49日法要のような仏事（弔事）では、黒白または双銀（そうぎん）の結び切りの水引を用いるのが一般的です。

「結び切り」は、一度きりで終わることを意味し、「二度と繰り返したくない出来事」に使われます。したがって、49日法要という場においては最も適切な結び方です。逆に「蝶結び」は、祝い事や繰り返しても良い慶事用であり、法要では絶対に避けましょう。

水引の色においても、赤白など明るい色合いは慶事向けであるため、弔事には不適切です。封筒選びの際は、パッケージに「仏事用」や「法要用」と書かれているものを選ぶと安心です。

浄土真宗における表書きのポイント

宗派によっては、お布施に対する考え方や表書きの作法が異なります。特に浄土真宗では、「御布施」という表記を避ける場合があるため注意が必要です。

浄土真宗では、布施は「修行」ではなく「感謝や御礼」の気持ちを表すものと解釈されており、封筒の表書きには「御礼」や「志（こころざし）」と書かれることが多く見られます。また、浄土真宗では仏前での供物や形式を控える傾向があり、水引そのものを使用せず、白無地の奉書封筒に包むだけという形が正式とされることもあります。

このように、宗派によって「ふさわしい表書き」は異なるため、迷った場合は事前にお寺や僧侶に確認を取るのが最も確実です。また、親族や地域の慣習も踏まえたうえで選ぶことが、失礼を避けるポイントになります。

お布施の金額相場とは？

地域による相場の違い

お布施の金額には法律上の決まりはなく、あくまで施主（お布施を渡す側）の気持ちや地域の慣習、寺院との関係性によって異なります。そのため、相場には一定の幅があり、特に地域ごとの差が顕著です。

たとえば、都市部（東京・大阪・名古屋など）では3万〜5万円程度が一般的とされ、僧侶も日程が混み合いやすいため、やや高めになる傾向があります。一方、地方の中小都市や農村部では1万〜3万円程度で済むケースも多く、地域の檀家制度がしっかりしている場合は、形式的なお布施が少額であることも。

また、寺院との付き合いの長さや親密度によっても変わるため、「親の代からずっとお世話になっているお寺」なのか、「葬儀社から紹介された僧侶」なのかによっても金額感は変動します。

不安な場合は、親族や葬儀社に相場を聞く・お寺に直接相談することが、失礼のない対応につながります。

参列者の数に応じた金額設定

お布施の金額は、法要の規模や内容に応じて変えるのが一般的です。とくに参列者の人数が多い場合、僧侶の読経時間が長くなったり、移動・待機時間が増えることで、精神的・時間的な負担が大きくなるため、金額もそれに見合うよう調整される傾向があります。

たとえば、家族のみの少人数法要であれば1万〜3万円でも失礼にあたらない一方、親族や知人を招いて30名以上が参列するような法要では、相場より高めの3万〜5万円以上を包むのが妥当とされます。

また、法要を寺院ではなく自宅や会場で行う場合には、僧侶に来ていただくための出張の手間や交通費（車代）も加味して金額を設定するのが望ましいです。

一般的な金額の目安とその理由

以下は49日法要における、一般的なお布施の金額目安です。あくまで目安であり、強制ではないことを理解しておきましょう。

法要内容	金額の目安
読経のみ	1万〜3万円
読経＋納骨の立ち会い	3万〜5万円
複数の僧侶が読経する場合	5万円〜

このような金額設定がされる背景には、僧侶の活動時間や準備、移動、さらには寺院の維持費用なども含まれています。お布施はあくまで「心からの感謝を形にするもの」であるため、「この金額でなければならない」といった決まりは一切ありません。

大切なのは、自分にできる範囲で、無理なく、丁寧に包むことです。どうしても判断に迷うときは、「少なすぎて失礼かも」と不安を抱えるより、事前に相談しておくほうが安心です。

お布施の封筒とその選び方

49日お布施袋の種類と特長

49日法要に使用するお布施袋にはいくつかの種類があります。もっとも一般的なのは、文具店・仏具店・百貨店などで販売されている「御布施」用の封筒セットです。これには以下のような特徴があります。

• 表書き欄があらかじめ印刷されている（「御布施」「お布施」など）

• 水引が印刷されたもの（黒白・双銀）や、実際に水引がついたものがある

• 中袋（中包み）が付属しているものが多い

• 仏事専用の簡易マナー解説がついている商品もある

このような市販品を利用すれば、形式を大きく外してしまうリスクは避けられます。とはいえ、お布施袋は「使い捨て」の感覚ではなく、一つ一つに心を込めて丁寧に準備・扱うことが大切です。

特に、封筒がヨレていたり、文字が雑だったりすると、相手に不快な印象を与える可能性があるため、新品の封筒を使い、事前に練習してから記入するなどの配慮を心がけましょう。

封筒に記載すべき情報

お布施袋には、表と中袋の両方に必要な情報を正しく記載することが重要です。

表書き（外袋）

• 封筒の中央上部に「御布施」または「お布施」と楷書で記入

• 毛筆または筆ペンを使い、丁寧に書く

• 派手な装飾やカラーペン、ボールペンは避けるのが基本

中袋（中包み）

• 封筒の表に「金壱萬円也」「金参萬円也」など、旧字体を使った縦書きで金額を記入（漢数字推奨）
  　例：壱（1）／弐（2）／参（3）／萬（万）

• 裏面または下部に施主の氏名と住所を記載

• 金額は算用数字や円マークではなく、格式ある表記を意識する

中袋は見えない部分ではありますが、「裏の姿勢」こそが問われる場でもあるため、丁寧に記入・清書し、折れや汚れのない状態で持参するよう心がけましょう。

無地と有地、どちらを選ぶべきか

封筒のデザインには、水引が印刷されたもの（＝有地）と、白無地のもの（＝無地）があります。どちらを選ぶべきかは、以下の観点で判断しましょう。

【有地封筒】

• 市販の仏事封筒で、簡単にマナーを満たせる

• 表書きが印刷済みのため、筆に不慣れな人にも便利

• 黒白または双銀の結び切り水引が印刷されているものが主流

• 初心者向きで、失礼になることはほぼない

【無地封筒】

• 白無地の奉書紙封筒に「御布施」と自筆で書く

• 浄土真宗や一部宗派では、飾り気のない封筒を推奨することがある

• より厳格で格式ある印象を与えたい場合に最適

• 字を書く手間や丁寧さが求められるが、心がこもる

宗派によっては、水引の使用を控える場合もあるため、「○○宗ではどうすべきか不安…」という方は、直接お寺や葬儀社に確認するのがもっとも確実です。

49日法要の準備と流れ

当日の流れと必要な手配

四十九日法要は、亡くなってから7日ごとの法要の集大成であり、「忌明け（きあけ）」の節目となる重要な日です。一般的な当日の流れは次の通りです。

1. 僧侶による読経（会場は寺院・自宅・斎場など）

2. 墓地や納骨堂での納骨式（必要に応じて）

3. 精進落としの会食（参列者とのお別れ会食）

この一連の流れをスムーズに進めるためには、以下のような事前準備と手配が必要です。

必要な主な準備項目

• 僧侶のスケジュール確認と依頼
  　読経をお願いする僧侶へ、希望日時と場所を早めに伝え、出席可否の確認を行います。特にお盆や年末などは予約が混み合うため注意が必要です。

• 会場の確保
  　寺院、自宅、民間の法要会場（セレモニーホールや斎場）などから選びます。納骨を行う場合は、霊園や納骨堂との調整も必要です。

• 会食（精進落とし）の手配
  　参列者の人数に応じて、会場の手配や仕出し料理・レストランの予約を行います。アレルギー対応や子ども用の食事の有無も確認しておきましょう。

• 引き出物・返礼品の準備
  　参列者へのお礼として、お茶や菓子、日用品などの引き出物を用意します。地域によっては香典返しも兼ねることがあるため、親族と相談のうえ決めるのが望ましいです。

• 服装と備品の確認
  　喪服や数珠、焼香用具などを事前に準備。家族や参列者にも服装マナーを伝えておくと安心です。

葬儀社への依頼とそのタイミング

自分たちで準備するのが不安な場合は、葬儀社や仏事専門のサービス業者に依頼する方法もあります。最近では法要専用のパッケージプランを提供している葬儀社も多く、下記のようなことを一括で任せられることがあります。

• 僧侶の紹介

• 会場手配（法要ホール・寺院など）

• 料理の手配（会食・精進落とし）

• 引き出物や返礼品の用意

• 案内状の作成・発送

依頼する場合は、遅くとも法要の1か月前には相談を開始するのが理想です。希望日時や人数によっては早めの予約が必要になることもあるため、葬儀終了後に日程だけでも仮押さえしておくと安心です。

お寺さんに渡すものリスト

法要当日、僧侶にお渡しするものは以下の3点が基本です。

1. お布施
   　読経への感謝を込めた金銭で、奉書封筒や市販の仏事用封筒に入れ、「御布施」と表書きします。中袋には金額・氏名・住所を記入します。

2. 御膳料（ごぜんりょう）
   　僧侶が会食に参加されない場合に渡す「食事代わりの謝礼」です。3,000円〜1万円程度が相場で、お布施とは別封筒で包むのが一般的です。

3. 車代（交通費）
   　お寺から法要会場までの距離がある場合にお渡しするもので、交通費相当額（数千円〜1万円）が目安です。遠方から来ていただく場合は、感謝の気持ちを込めて包むのがマナーです。

すべてを同じ封筒にまとめるのではなく、お布施・御膳料・車代は別々の封筒に入れ、それぞれ表書きを明記しましょう。お渡しするタイミングは、法要が始まる前の落ち着いた場面で、「本日はよろしくお願いいたします」と丁寧に一礼して渡すのが基本です。

お布施以外の法要関連費用について

49日法要では「お布施」が中心的な費用ですが、それ以外にも僧侶への御膳料や車代、参列者対応に関する費用（引き出物・香典返しなど）が必要になることがあります。ここではそれぞれの意味や相場、支払い方法について解説します。

御膳料の相場と支払い方法

御膳料（ごぜんりょう）とは、法要後の会食に僧侶を招待した際に、辞退された場合に代わりとしてお渡しする金銭のことです。あくまで「お膳の代金」としての性格を持ち、お布施とは区別されます。

• 相場：3,000円〜10,000円程度が一般的（地域・寺院により差あり）
• 封筒：お布施とは別の白封筒を用意し、「御膳料」や「御食事料」と表書きする
• 記載事項：中袋には金額・施主の氏名・住所を明記

会食を辞退された際、御膳料をお渡ししないと「食事を用意しなかった」と誤解されることもあるため、あらかじめ準備しておくのがマナーです。また、当日辞退された場合でも、包んで持参していればその場で対応できます。

香典との違いとその取り扱い

よく混同されがちなのが、香典とお布施の違いです。

項目	香典	お布施
意味	弔意・哀悼の気持ちを金銭で表す	僧侶への謝礼。仏事の施し
渡す相手	喪主や遺族	寺院や僧侶
封筒表記	「御香典」「御霊前」「御仏前」など	「御布施」「お布施」「御礼」など（宗派に応じて）
返礼品	香典返し（タオル・お茶・菓子など）	基本的には返礼不要（宗派・地域による）

香典は参列者が遺族へ渡すもの、お布施は施主が僧侶へ渡すものと立場が異なるため、返礼や表書きで混同しないよう注意が必要です。特に法要の場では、香典返しと引き出物をどう分けるかを明確にしておくと、後のトラブルを防ぐことができます。

車代やその他の費用についての注意点

法要会場が寺院から離れている場合や、僧侶が遠方から来られる場合には、交通費としての「車代」を別途包むのがマナーとされています。

車代の相場と注意点：

• 相場：2,000円〜10,000円程度（公共交通機関の実費、タクシー代、ガソリン代などを想定）
• 封筒：白封筒に「御車代」や「交通費」と表書きし、お布施とは分けて用意
• 渡すタイミング：お布施や御膳料と一緒に、法要開始前に控室などでお渡しするのが丁寧

※車代は、「交通費を負担してもらって当然」と思わせないよう、感謝の気持ちを込めてお渡しする姿勢が大切です。特に長距離移動となる場合は、実費よりやや多めに包んでおくと丁寧な印象になります。

その他に想定される費用

• 引き出物・会葬返礼品：参列者に対して渡す品物で、地域によっては「香典返し」として扱うことも
• 会食費用：法要後の会食にかかる費用。1人あたり3,000〜8,000円程度が相場
• 案内状・礼状の印刷代：郵送で案内を出す場合は、文書作成費や郵送費も必要に

これらを含め、全体の法要費用としては10万〜30万円程度が一般的な目安となります（人数・地域により変動あり）。

法要時のマナーと服装

49日法要は、故人を偲び、供養の心を形にする大切な儀式です。形式だけでなく、故人や遺族、僧侶に対する敬意を行動で示すことが最も重要です。ここでは、参列者・喪主それぞれが心得ておくべきマナーや服装について詳しく解説します。

参列者が守るべき基本的なマナー

法要は宗教的な行事であり、日常とは異なる「静けさ」と「厳かさ」が求められる場です。以下のようなマナーは最低限守りたいポイントです。

■ 時間厳守は基本の礼儀

集合時間には10〜15分前に到着するのが理想です。開始直前の到着や遅刻は、遺族や僧侶に迷惑がかかるため厳禁です。

■ 携帯電話の電源は必ずOFFに

読経中に音が鳴ることは大変失礼です。マナーモードではなく完全に電源を切るのがマナーとされています。通知音・バイブ音にも注意が必要です。

■ 読経中の私語・飲食・席の移動はNG

法要中は会話や水分補給を控え、姿勢を正して静かに過ごしましょう。読経が終わるまでは席を立たず、姿勢よく手を合わせるのが基本です。

■ 小さなお子さんを連れての参列

子ども連れの場合は、ぐずったときにすぐ退席できる場所に座るなど、あらかじめ配慮しておくことが大切です。必要であれば、親族に前もって伝えておきましょう。

■ 焼香や挨拶時の所作

焼香の作法や拝礼の仕方が不安な場合でも、「心を込めて静かに行う」ことを意識すれば大丈夫です。周囲の動きを見ながら丁寧に対応しましょう。

喪主としての服装・態度に関するガイド

喪主は法要全体の中心的な存在であり、参列者・僧侶の両方に対して敬意ある姿勢を保つ必要があります。

■ 喪主の服装：格式ある礼服が基本

• 男性：黒の略礼服（ブラックスーツ）、白シャツ、黒ネクタイ、黒靴下、黒靴

• 女性：黒のワンピースまたはアンサンブル、黒ストッキング、黒いパンプス

派手なアクセサリーや香水は避け、落ち着いた髪型と清潔感ある装いを心がけましょう。
真夏でもノースリーブや半袖は控え、必ずジャケットを羽織るのがマナーです。

■ 態度・言動：謙虚で落ち着いた対応を

• 僧侶への挨拶：「本日はよろしくお願いいたします」「どうぞよろしくお願いいたします」

• 参列者への挨拶：「ご多忙のところご参列いただき、ありがとうございます」

法要中は立ち振る舞いを慎み、周囲への気配りを忘れず、「静けさの中心にいる人」という心持ちで臨みましょう。

参加者への挨拶やお礼の一言

法要終了後は、参列者一人ひとりへの感謝の気持ちを直接言葉にすることが大切です。形式的な挨拶だけでなく、相手の顔を見て丁寧に伝えると、好印象につながります。

■ お礼の基本フレーズ例：

• 「本日はお忙しい中、誠にありがとうございました」

• 「皆さまのおかげで無事に四十九日法要を終えることができました」

• 「今後とも変わらぬお付き合いを、どうぞよろしくお願いいたします」

また、遠方から来られた方や高齢の方には、「お足元の悪い中、ありがとうございました」など、一言加えるとさらに丁寧な印象になります。

お布施に関するよくある疑問と解説

49日法要に向けて準備を進める中で、「お布施の渡し方や返礼品はどうすればいいのか？」といった具体的な疑問を抱える方は多いものです。ここでは、よくある3つの疑問についてわかりやすく解説します。

お布施はいつ渡すべきか？

お布施を渡すタイミングは、法要が始まる前が原則です。到着直後に慌てて渡すのではなく、できるだけ落ち着いたタイミングで、静かな場所（控室・客間など）で丁寧にお渡しするのが理想的です。

■ 渡し方のマナーとポイント：

• 封筒は袱紗（ふくさ）に包んで持参し、テーブルや座布団の上ではなく、直接手渡しで渡す

• 表書きが正面になるよう向きを整える

• 渡す際は、「本日はよろしくお願いいたします」と一礼して、静かに差し出す

• 僧侶が複数いる場合や代理僧侶の場合は、誰に渡すか事前に確認しておくと安心

また、法要のあとに渡してもマナー違反ではありませんが、「終了後は混雑しやすい・挨拶で流れてしまう」といった理由から、できるだけ開始前に対応するほうが丁寧な印象になります。

返礼品は必要なのか？

お布施を渡す際に「何かお返し（返礼品）も必要なのでは？」と悩む方も少なくありませんが、基本的に僧侶に対する返礼品は不要です。

お布施自体が「感謝の表現」であり、宗教的な意味を持つため、金銭とは別に品物を添える必要は基本的にはありません。ただし、地域によっては以下のような風習が見られる場合もあります。

• 簡単なお茶菓子や果物を添える（特に田舎の風習）

• 僧侶が遠方から来られた場合に、名産品や軽食を渡す

• 寺院が決まったルールを持っているケース（例：お布施に含めて供物を渡すなど）

一方で、参列者への返礼は必要です。これが「引き出物」となり、感謝の気持ちを伝える大切な要素になります。

引き出物との関係とその選び方

法要における引き出物は、参列者に対して「お忙しい中ご参列いただいた感謝の気持ち」を形にして渡すもので、結婚式の引き出物とは異なり、控えめかつ実用的なものが好まれます。

■ よく選ばれる品物：

• お茶・コーヒーセット

• 和菓子・焼き菓子の詰め合わせ

• タオルセットや洗剤などの日用品

• 小さな調味料セット（しょうゆ・だしなど）

• 1,000〜3,000円程度のギフト券を添える場合もあり

包装は落ち着いた色合いで、「仏事用」「志」の表書きが印刷されたのし紙をかけるのが一般的です。また、持ち帰りやすさも大切なポイント。軽くてかさばらないものを選ぶと喜ばれやすいでしょう。

なお、香典返しと引き出物を兼ねるかどうかは、地域の慣習や葬儀時の対応によって異なります。すでに香典返しを済ませている場合は、引き出物は不要なこともあります。

ワンポイント：引き出物に添える一言メッセージ例

このたびはご多用のところ、49日法要にご参列いただき誠にありがとうございました。
ささやかではございますが、心ばかりの品をお受け取りいただければ幸いです。

こうしたメッセージカードを添えると、形式だけでない感謝の気持ちが伝わり、より丁寧な印象になります。

まとめ｜正しいお布施の準備で安心して49日法要を迎えましょう

49日法要のお布施は、故人への感謝を表す大切な行為です。表書きの書き方、水引や封筒の選び方、宗派ごとのマナーなど、基本を押さえることで自信を持って対応できます。特に初めての法要では、不安や迷いがつきものですが、正しい知識を持つことで、安心して当日を迎えることができます。この記事を参考に、早めに準備を進め、心を込めた丁寧な供養の時間を過ごしましょう。